関西の女帝こと上沼恵美子が、お笑い業界の盟主である吉本興業を痛烈に批判した。12月9日放送の冠番組「上沼・高田のクギズケ!」(読売テレビ)では、放送前の前説を務めるお笑いコンビの祇園がゲスト出演。吉本所属の祇園に対して上沼は「祇園は師匠いるんですか?」と先制パンチだ。
ここで祇園の二人が「ボクらはいないです。NSCという学校ですから」と答えると、上沼は「師匠とか師弟関係がないから礼儀正しくない人が多いな、今」と断罪。「祇園はちゃんとしてるけどね」と二人をフォローしつつも、吉本所属芸人を痛烈に批判したのである。
「この批判には、『M-1グランプリ2018』の審査員を務めた上沼に対し、とろサーモン・久保田かずのぶとスーパーマラドーナ・武智がインスタライブにて数々の暴言を浴びせたことが根底にあるのは明らか。いくら他の事務所とは言え、同じお笑い業界に属する大先輩に対し、聞くに堪えない暴言を放った久保田と武智の失態は、いくら糾弾してもしたりません。ただ、上沼は今回の番組で『お二人のことはまったく何も思っておりません』と突き放しており、批判のホコ先を、むしろ、二人が所属する吉本に向ける形となりました」(お笑い系のライター)
その吉本は1980年代に沸き起こった漫才ブームに乗る形で業容を拡大し、それまでお笑い業界の盟主だった松竹芸能を蹴落とす形でトップの座を奪取。その原動力となったのが、82年に設立したお笑い芸人養成スクールの「吉本総合芸能学院(NSC)」だ。芸人をスクール形式で育成する方法を確立し、それまでの徒弟制度に比べて大幅な効率化を実現。お笑い番組の隆盛とともに急増した芸人需要を満たすことに成功し、一気に業界トップの座に君臨したのである。
「それに対して上沼はケーエープロダクションという老舗事務所から、姉妹コンビの『海原千里・万里』としてデビュー。同プロは松竹芸能と合併していたこともある関西系お笑い事務所の本流とも言える存在で、上沼姉妹は女流コンビの“海原お浜・小浜”に師事していました。その上沼から見れば、師匠が不要な吉本の養成システムはお笑い業界の常識に反するのかもしれません。久保田と武智を突き放したのも、同じ業界の後輩とは認めたくなかったからではないでしょうか。しかも『NSC出身者は礼儀がなっていない』とは以前から言われてきた話であり、ここにきてあらためてそこに注目が集まった形です」(前出・お笑い系ライター)
いくら上沼に批判されたところで吉本がNSCをやめるわけがないのは明らか。それでも上沼は“女帝”としての立場から、吉本に対して釘を刺しておかずにはいられなかったのだろう。
(金田麻有)