●ゲスト:ゆりあ(写真左)/1978年、埼玉県生まれ。りく/1999年、長野県生まれ。■2000年6月、ゆりあと猿「りく」が太郎次郎一門で出会ってコンビを結成。02年、舞台デビュー。08年、太郎次郎師匠とともに芸能事務所「タイタン」に所属。09年、「新春ホワイトカーペット」(フジテレビ系)で初めてのネタ番組に出演。同年、DVD「私につっこんでくだサル?」(ジェネオン・ユニバーサル)発売。今年10月、最初で最後の単独ライブ「ゆりありく~猿まわしの世界~」を開催した。現在は「日光さる軍団」で数頭の猿が出演する集団コントなどにも挑戦中。来年5月に、りくの引退が決まっている。
テリー 初めてこんなに近くで見たけど、猿って大きいんだねェ。
ゆりあ りくは特別大きいほうかもしれないですね。
テリー 今、何歳?
ゆりあ 19歳です。人間でいうと66歳ぐらい。
テリー 俺と同世代じゃないの。かわいいのにお前、けっこう年食っているんだな(笑)。でもりく君、引退するんだってね。
ゆりあ そうなんです。18年一緒に築き上げてきて、やっと「あうん」の呼吸になってきたところなので、本音を言うと辞めさせたくないんです。でも、りくの体調を考えると、普通の猿として過ごす時間が少なくなると思いまして。
テリー 予定としては、いつ頃なの。
ゆりあ 急に生活のペースが変わると、かえってそれがストレスになってしまうかもしれないので、これから少しずつ仕事を減らしていって、来年の5月で完全に引退します。
テリー そう、残念だな。俺、ライブでゆりありくのネタを見させてもらったことがあるけど、カツラをかぶったり脱いだりするネタが大好きなんだよ。ゆりあさんがよそを向いてると、りく君のカツラがズレたり落ちたりして、ゆりあさんが見ると急いで直すっていう、あれ。最高にバカバカしくて、いいよね。ああいうネタは、ゆりあさん一人で考えているの。
ゆりあ 私だけでなく、師匠の村崎太郎や、所属している「日光さる軍団」のメンバーからもアイデアを出してもらっています。そのネタをりくにどうやって教えて、どういう合図で動くきっかけを伝えるかという、ネタを完成させるまでの組み立ては私の仕事になります。
テリー 想像するだけで大変そうだけど、ひとネタを完成させるのに、どのぐらいかかるんだろう。
ゆりあ それはネタによってまちまちですね。たった5分で覚えてくれることもあれば、何年もかかることもあるので。
テリー 今までの猿まわしのイメージって、竹馬に乗ったり高いものを飛び越えたり、そういう芸を猿にさせるのが普通だったよね。でも、ゆりありくみたいに猿と人間が完全に同じ目線でコントをやるなんて前代未聞じゃないの。世界レベルで見ても、珍しい芸なんじゃないかな。
ゆりあ 全てチェックしているわけではないですけれど、私も他でこういう芸は見たことがないですね。
テリー でしょう。だからこれって、発明だと思うんだよ。それが見られなくなるのは、ホントに残念だな。アサ芸の読者のみんなも、今のうちに見ておいたほうがいいよ。
ゆりあ テリーさんにそこまで言っていただけると、うれしいです。りくはいなくなりますけど、この芸はしっかり引き継いでいきたいと思います。