証券関連雑誌を発行していた投資ジャーナル社の株式の不正売買、大型詐欺、いわゆる「投資ジャーナル事件」はバブル期を代表する事件であった。
さらに、同社主宰の中江滋樹氏の交遊関係に注目が集まり、清純派アイドル歌手倉田まり子と一緒に写した写真が流出。世間を驚かした。
85年9月29日号は深いその交遊に斬りこんでいる。東京目黒の高級住宅地の一角に建つ3階建ての洋風住宅。売主の社長から、〈倉田母娘から「即金で払うからとにかく売ってくれ」と再三繰り返していた。〉を突き止めた。
16年3月17日号では中江氏のインタビューに成功し、
〈「僕は(豊田商事の)永野を知っているが、彼は老人の虎の子の金をだまし取った詐欺師だ。僕は投機家を相手にした。投資ジャーナルで780億円を集めたが、600億円を(投機家に)返した。会員には儲けた時に返していたんだよ。損をしたと言うが、投機家も悪い。その証拠に、検察は懲役12年を求刑して判決は6年。こんなのは無罪に近いよ。時代が変われば、もっと軽くなったはずだ」〉
という発言を引き出している。
ちなみに、〈「政界には10億円ばら撒いた」〉(同号)では、〈「キミみたいなガキから金はもらえないと突き返されたよ」〉(同号)と田中角栄に、献金として持参した3000万円を突き返されたことを明かしている。
さすが、角さん!