現在50代後半の松田氏とは、どんな人物なのか。関係者が続けて明かす。
「沈没船引き揚げ事業をうたい、『預けた金が1年で2倍になる』として全国の投資家1万人から約500億円を集め、07年1月に代表が逮捕された『リッチランド』事件がありました。彼は九州地区の集金担当をしていた『残党』なのです」
松田氏自身も会員を前に、リッチランドとの関係を認めたうえで、
「確かに自分はリッチランドにいた。でも、金に目がくらんだ悪い人間は全て捕まった。悪事に加担していたら、自分も当然、逮捕されていたはず。捕まらなかったことが潔白な証拠だ、と話していました」(長崎県の会員女性Bさん・60代)
松田氏は一方で、演歌歌手という別の顔も持っていた。14年には「宝田大史」の名前で「夢追い旅人」なるシングルCDを発売している。Bさんによれば、
「事務所には沈没船から引き揚げたという埋蔵品が陳列され、その横に浅香光代さんや鳥羽一郎さん、アントニオ猪木さんらとのツーショット写真が飾られていた。自分のCDを配りながら、さも有名人と親しげな話をするんです。これにもダマされてしまいました」
さらに松田氏は、自身の過去の話も臆することなく語っていたという。
「子供の頃に事情があって親元を離れ、東京の暴力団組長に育てられた。最初の結婚が10代後半で、間もなく離婚した。その後、フィリピン女性と再婚して、また離婚したということです」(Aさん)
現在はフィリピンで暮らす3番目の妻がいるといい、
「携帯電話で『アイラブユー』を連発していました。娘を芸能界に入れるつもりで、現地の芸能学校に通わせている、と話していましたね」(前出・Aさん)
妻子がフィリピンから日本に来るたび、大盤ぶるまいをしていたという松田氏について、前出・Bさんが語気を強める。
「前妻も子供を連れて会いに来ていたようで、そちらにもお金を渡していたらしいんです。『側近』の話では、松田は元妻や現妻のために車や家だけでなく、家族の生花店開店資金まで出してやったとか。私たちからダマし取ったお金がそんなことに使われていたと思うと、悔しくてたまりません」
ちなみに、松田氏の「側近」とは、ポーラースターの取締役として名を連ね、告訴状にも名前がある内田マチ子という70代の女性。前出・Aさんが言う。
「簡単に言えば、松田の集金マシーン。松田は彼女を『姫』と呼んで、金を集めさせていた。彼女は松田にメロメロで、松田が大村に戻ってくる時には必ず長崎空港まで迎えに出て『よか男やろ、ほれぼれするわ~』とそれはうれしそうでした」
13年になる頃にはあちこちから「金を返せ!」という声が湧き起こる。そんな中で登場したのが、ポーラースター元取締役である一瀬孝宏氏と水江洋一氏だった。一瀬氏は松田氏らとともに刑事告訴されている。