連続ドラマとしてシリーズ化され、今年公開の映画版も大ヒットしたドラマ「コード・ブルー」(フジテレビ系)で、ともに主要な役を務めた新垣結衣と戸田恵梨香は、私生活でも仲がいいという。同世代で何かと比較されがちな2人だが、これまでは、各種好感度ランキングで常に上位なこともあり、新垣のほうが人気・実力、ともに上といった印象だった。ところがこの10月クール、それぞれが主演したドラマによって、今後の女優人生の明暗が逆転していきそうだという。
戸田が主演の「大恋愛~僕を忘れる君と」(TBS系)は、前評判はそれほど高くなかったが、毎回10%前後をキープ。最終回で過去最高の13.2%を記録し、放送後も視聴者の興奮冷めやらず、番組には絶賛する声が殺到しているとか。一方、放送開始前のある視聴者アンケートでは、期待のドラマ1位だった新垣主演「獣になれない私たち」(日本テレビ系)は、最終回で8.3%、平均視聴率も8.7%と、予想を覆す惨敗だったのだ。
いったい、戸田の「大恋愛」が、圧倒的支持を得たのはなぜか。あるドラマライターがこう指摘する。
「『大恋愛』は、戸田の相手役に、二枚目イメージのないムロツヨシを起用。ムロ本人は雑誌の取材に、ラブコメでなく純愛もののヒロインの相手役に選ばれるとは思わなかったという内容のコメントを出していましたが、まさにその“ギャップ”が、大人の濃い恋愛を描くのが得意な大石静氏の脚本とマッチしました。また、戸田は若年性アルツハイマー病で記憶を徐々に無くしていくという悲劇のヒロインですが、随所に盛り込まれた笑える展開での戸田とムロの息がピッタリでしたね。もちろん『けもなれ』も、新垣の彼氏役に4月期の連ドラ『おっさんずラブ』(テレビ東京系)で大ブレイクした田中圭を起用し、新垣を田中と奪い合う役に昨年末、モデルの元妻の『不貞』が原因で離婚して女性ファンをザワつかせた松田龍平をキャスティング。他にも黒木華や菊池凛子といった豪華キャストを配置して万全を期した。ところが、非常に丁寧に書き込んだ脚本が、むしろ毎回スッキリとしない堂々巡りの展開に見えてしまい、どんどん視聴者が離れてしまった」
「けもなれ」最終回で、新垣と松田が手をつないで終わりを迎えるシーンには〈今までの1~9話の伏線は一体なんだったのだ!必要なかったのでは?〉〈2時間ドラマでも十分な内容!〉との批判まで視聴者からは寄せられたという。
「決定的だったのは、戸田のほうが幅広い役を演じられる、と強く印象付けたこと。新垣の演技には《いつもどんな時でも同じような表情で、こんなに芝居がヘタな女優だったか?》と辛辣な声も寄せられ、初めて挑んだベッドシーンにも《脱ぎが甘い!》という声が上がるなど男性視聴者的にはかなり物足りなかったようで、視聴率アップには結びつかなかった。一方の戸田は、艶シーンに泣かせる演技やコメディエンヌな演技、ムロと本気でケンカするシーン、母親としての顔などなど、病気の進行によって、その回ごとにクルクル表情が変わっていくヒロインをうまく演じていました」(前出・ドラマライター)
しかも戸田は、2019年度後期放送予定のNHK朝ドラの主役にも抜擢。ちなみに恋多き女としても熱愛報道が過去に多々あり、「コード・ブルー」での共演を機に熱愛が報じられた成田凌との関係は解消したものの、私生活での恋愛経験が女優業にもいい影響を与えているようだ。好感度の高さでは依然、様々なランキングで上位の新垣だが、女優としてどんどん成熟していく戸田に今後猛追されるのは必至の情勢。ピュア一辺倒のイメージで人気を博してきた新垣には、大々的な熱愛報道が流れ、私生活も含め、清純派のイメージが激変してしまうぐらいの展開が必要な時期に来ているのかもしれない。
(島花鈴)