プロレスラーに酒豪は多いが、日本人で「最強」といわれるのは、やはり天龍源一郎だろう。
「とにかく酒に強く、飲み比べをした藤原喜明もギブアップしたほど。また、全日本プロレス時代、試合のあとは記者たちを引き連れて夜の街に繰り出しての大宴会というのが、天龍の日常でした。多くの関係者に恐れられたのは、アイスペールにヘネシーからビール、焼酎といったお酒類はもちろん、コショウやタバスコまで、店にあるものならなんでもぶち込んで飲ませる“天龍カクテル”。この洗礼を浴びてヘベレケになって初めて天龍に仲間と認められるものでしたが、いつも明るく楽しい酒で、彼の周囲には常に笑いが絶えませんでしたね」(スポーツ紙記者)
これがシリーズ中、毎日だったという。
「お金は誰が払っていたかというと、実はほとんどが社長のジャイアント馬場でした。天龍は、“全日本プロレス第三の男”と言われていましたが、上の2人、馬場とジャンボ鶴田は、地方での試合のあとは食事をとったら自室にこもって読書や趣味にふけり、記者たちを引きつれて飲み歩くようなことはほぼなかった。そのため、こうしてマスコミとの関係を築いてくれる天龍の存在はありがたく、非常に頼りにしていたんです。ホテルでもう寝ている馬場のもとに、天龍の付け人から『お金が足りなくなりました』といった連絡が入っても、馬場はお金を用意し届けさせたといいます」(前出・スポーツ紙記者)
天龍もすごいが馬場もエラかった。
(露口正義)