日頃から教育現場における体罰を否定する立場のタレント・武井壮が、ツイッターで炎上を招いている。これまでは〈スポーツ教えるくらいの事で大人が子供殴っていいわけねえだろう〉といった、言葉は乱暴ながら正論なツイートで世間からの共感を得てきた武井。だが、東京・町田市の高校で発覚した体罰事件に関して1月24日に〈どんな良い先生だろうが殴ったら駄目なんだ〉とつぶやいたところ、1500件を超えるリプがつき、そのうち相当な数が武井への反対意見となっていたのである。
「武井は『会社で言うこと聞かない部下をぶん殴ったらクビだろうな』などと連投したものの、それらのツイートも炎上。そもそも今回の事件では生徒が教師を執拗に挑発したり、最初からツイッターでの炎上を狙っていた可能性まで指摘されており、武井の示した会社の例は簡単には当てはめられない。今回の件で武井に反発している人たちは今回の事件が『挑発された教師の自衛行為』に近いものであり、いわゆる体罰とは次元が異なると考えています。そのため『体罰は悪』と主張する武井とはそもそも議論が噛み合っておらず、着地点が見えてこない状況です」(週刊誌記者)
どちらが正しいのかという議論はともかく、ツイートを連投するうちに、武井が書き込む内容にも変化が現れている。たとえば〈何を言われても暴力を容認することはしません〉とのスタンスは堅持しつつも、〈生徒に罰則が必要な案件だよな今回の件は〉と、従来の“体罰絶対反対!”の立場では語られてこなかった生徒側の責任についても言及。そのうえでさらに建設的な議論を追い求めるため、世の教師や生徒たちに対してある呼びかけを行っているというのだ。
「武井は1月28日に更新したFacebookにて、《学校での教師からの暴力、生徒からの暴力を経験したことのある皆さん 実名では難しいかもしれないけど その経験談をこちらのコメントに書き込んで頂けませんか?》と呼びかけました。そういった声を集めたうえで、《いつか僕のサイトでシンポジウムを開けたらと思います》との考えを示しています。この呼びかけにはすでに150件ほどのコメントが寄せられており、中には《初めて明かします》と過去の暴力被害をカミングアウトする者も。そういった貴重な証言が集まってシンポジウムにつながるのであれば、武井のツイッターが炎上したことも決して、無駄ではなかったことになるでしょう」(前出・週刊誌記者)
武井のスタンスに対しては賛否両論あれど、大事なのはみんなが知恵を出し合って議論を深めることだ。武井を論破しようと躍起になる意見ばかりではなく、より良い教育環境を目指すための知恵が集まることが、今こそ期待されていることだろう。
(金田麻有)