手軽に作れる薬酒と生薬・薬草を挙げてみると、例えば次のような感じに。
〈基本レシピ〉
甲類の焼酎など25度以上の蒸留酒1リットルに対して、20グラムから40グラムの薬草を漬け、2週間から1カ月ほど置けば完成(葉、花は2~3週間。茎、根、実は4週間程度。マムシ、虫、タツノオトシゴなど動物系の生薬は、40度以上の酒に1年間を目安に漬ける)。
〈効能など〉
◎ガン予防/カワラタケ:倒木などに生えているキノコで、悪性腫瘍のほか、動脈硬化にも効果あり。桑江氏の妻が飲み続けて、脳下垂体腫瘍が寛解となる。
◎痛風・リウマチ/弟切草、ニワトコ:どちらも鎮静効果があり、ニワトコは皮膚炎、インフルエンザにも効く。手術が必要と言われた桑江氏の娘の中耳炎も、ニワトコの効能で治った。
◎喉の痛み/ショウガ、陳皮(温州みかんの皮)、セイジ、ユリ根:陳皮は咳や痰に、セイジは呼吸器の炎症に。ユリ根は高血圧やコレステロールの低下に効果あり。
◎糖尿病/タラノキ:民間薬として有名だが、胃炎、胃潰瘍など、胃腸への効能も大きい。
◎花粉症/シソの葉:花粉症、アトピーなどのアレルギーに効果があり、代謝や消化もよくなる。
‥‥といった感じで、一部の生薬は漢方薬局などで購入するものもあるが、大半はスーパーの野菜売り場やハーブ、スパイスのコーナーにも置いてあるので、入手は難しくない。
「漬けるお酒は焼酎に限らず、ウイスキーでもウォッカでもワインでもいいんです。家族で飲むならば、お酒だけでなくビネガーに漬けたりしてもいい。いずれもジンジャーエールや炭酸で割ったり、ジュースやレモン、はちみつなどを加えたりして、自分が飲みやすい味にして楽しむこと。それが毎日飲み続けられる秘訣ですね」
桑江氏が推奨しているのが、薬酒をブレンドして効能を高める、薬酒レシピの応用編。桑江氏の店でも人気の3つを紹介すると、
◎ガン予防(インナーディフェンス):エゾウコギ+ホンダワラ+カンゾウ+カワラタケ+菊花+シソの葉
◎男性向け滋養強壮(エナジーコーヒー):ニクジュヨウ+タラノキ+ウコン+山査子+イズイ+五可皮+コーヒー
◎妊活(ベイビースマイル):クコ+ユリ根+蓮の実、ルイボスティー
「インナーディフェンスは抵抗力と免疫力を高める最強の生薬の集大成で、放射能対策(放射能を排出する成分として知られるヨウ素を豊富に含むホンダワラが加わっている)にも効果があります。エナジーコーヒーはアイスコーヒーのように飲みやすく、疲れ知らずになれる人気のブレンド薬酒。ベイビースマイルは不妊の女性にお勧めしていますが、これまで15組以上の不妊カップルに、子宝が授かっています」