松坂大輔が2月4日、アメリカの永住権を取得する手続きのために渡米した。永住権(グリーンカード)を保有していれば、アメリカ市民と同様に生活でき、仕事の制限もなくなるのがメリット。妻の柴田倫世と3人の子供はボストンに在住しているため、これで一家そろってアメリカに住むことができるというわけだ。
このニュースが伝わると、ネット上では「慶應卒の柴田はともかく高卒の松坂が英語できるの?」「アメリカにいても野球の仕事はないだろう」などと心無いコメントが続出。15~17年にはソフトバンクと3年12億円の大型契約を結ぶも1勝もできず、大量の松坂アンチを生んだことで暴言が集まっているようだ。そんな松坂の永住権取得について、アメリカ在住歴のあるライターが疑問を呈する。
「松坂は07年にレッドソックスと契約し、14年に移籍先のメッツを退団するまでの8年間は、著名スポーツ選手に発給される『Oビザ』でアメリカに滞在していました。長男と二女はアメリカ生まれなので米国籍も持っていますが、妻の柴田倫世と2歳でアメリカに移住した長女は、松坂の家族として『O-2ビザ』を持っていたのでしょう。しかし日本球界に復帰した時点でもはやこのビザは失効しており、松坂家はアメリカに住み続けられないはず。それなのに柴田と子供たちはボストンに住み続けており、松坂が日本に単身赴任している形です。いったい松坂家のビザはどうなっているのか、実に疑問ですね」
そのOビザは毎年更新する必要があり、本来ならソフトバンクに復帰した15年中にも柴田と子供たちは日本に帰国しなければならなかったはずだ。いくら子供二人が米国籍を持つとはいえ、親の永住権を申請するには成人している必要があり、柴田は「アメリカ人の母親」という理由でアメリカに滞在することはできない。そこにはどんな裏技があったのか。メジャーリーグ事情に詳しいスポーツライターが指摘する。
「メジャーリーグとの契約では年俸だけではなく、住居や日本に帰国するための航空券、さらには家族へのケアといった様々な保証を盛り込むもの。そのため松坂が07年にレッドソックスと6年5200万ドルの超大型契約を結んだ際に、『家族がボストンに住み続けられる』という条件を盛り込んだのではないでしょうか。レッドソックスのような著名な組織が保証人になれば、ビザの取得はさほど面倒なことではありません。そして今回の永住権取得に際しても、レッドソックスが何らかの保証を行っている可能性もあります。ともあれこれで松坂家は何の心配もなく、ボストンに住み続けられそうです」
東京五輪の会期中には40歳の誕生日を迎える松坂。その頃にはアメリカ移住を果たしているのかもしれない。
(金田麻有)