出張マッサージの女性従業員に性的暴行を働いたとして逮捕された新井浩文容疑者。この事件に伴ってNHKが有料動画配信サービスの「NHKオンデマンド」にて、新井容疑者が出演する10番組の販売を停止するなど、波紋が広がっている。
このような「既発」の作品の配信中止については各方面から「作品に罪はない」「過剰反応だ」といった批判が巻き起こっている。それでは過去に同様の例はあったのだろうか。ハリウッドの例も含めて映画ライターが指摘する。
「撮り終えたばかりの作品がお蔵入りになることはありますが、既発作品の配信まで取りやめになるケースはむしろ少数でしょう。ハリウッドでは大物俳優のケヴィン・スペイシーが17年10月に性的ハラスメントで告発され、他の被害者たちも名乗りをあげたことで事実上の引退に追い込まれました。これに伴い、翌年に控えていた主演ドラマ『ハウス・オブ・カード』の第6シーズンでは彼の役が死亡した扱いになり、スペイシーは降板させられることに。ただ、第5シーズンまでは、制作局のネットフリックスでそのまま配信されています。同様にネットフリックスでは『GO』など新井容疑者の過去作品を配信していますし、未成年者との不適切な行為で所属事務所から解雇された小出恵介の出演作品も観ることができます」
ただ、中には、出演作が観られなくなるケースもあるようだ。映画ライターが続ける。
「ホテル従業員への暴行で逮捕された高畑裕太は(のちに不起訴処分)、もともと出演映画が少なかったこともあり、配信サービスで彼の出演作を見ることはできないようです。また薬物絡みの事件で逮捕・服役となった押尾学についてもやはり配信は皆無ですね。なお押尾が出演していた2000年公開の映画『ピンチランナー』はDVDが廃盤になっていますが、これは押尾のせいではなく、主演を務めたモーニング娘。の一員だった矢口真里の不貞事件が理由となっていると言われています」
現状では、新井容疑者の過去の出演作品に関しては、その多くは今後もDVDや配信で観続けることができるようだが…。
(金田麻有)