今後の進次郎にとって青年局の役員懇談会は単なる親睦会以上の意味合いも持っているという。
永田町関係者が明かす。
「これまで役員懇談会は、不定期の木曜日開催。これは自民党の各派閥が、毎週木曜日に定例会を開いているだけに、日程が定期化できなかった。しかし、今回の役員会では、小泉氏は曜日をずらして金曜日に開催することにした。不定期の懇談会よりも定期化することにより形骸化した役員懇談会を、より政策提言を含めた積極的な位置づけにしたいという思惑もあるようだ。内容もこれまでよりも一歩踏み込んだ勉強会に近いもので、安全保障や社会保障もテーマに話し合うといいます。いわば、“若手の政策集団”と言っても過言ではないでしょう」
しかも青年局の若手議員の面々は、かつて自民党の中枢を担っていた2世、3世議員の顔ぶれが目立つ。
「小泉元総理と2度にわたって総裁選で争った橋本龍太郎元総理の次男・岳氏や『偉大なるイエスマン』として尽くした武部勤元幹事長の長男・新氏もいる。他にも官房長官を務めた福田康夫元総理の長男・達夫氏や、政調会長だった中川秀直氏の次男・俊直氏など、今後の自民党を担う若手が勢ぞろいしています」(政治評論家)
そうした若手のトップとして、青年局長である進次郎が夏の参議院選挙や震災復興の陣頭指揮に当たるというのだから、自民党内部からも“警戒感”が飛び出すのも無理はない。
「青年局所属議員にとって、国民的人気の高い進次郎と行動を共にすることは選挙の際に格好のアピールとなる。進次郎にとっても今後に備えて、横のつながりを作りたいという狙いはあるでしょう。政策が近く気心の知れた議員がしぼり込まれていけば、進次郎グループのような形になるかもしれません」(前出・自民党関係者)
これまで自民党の若手議員グループといえば、05年衆院選で当選した83人の小泉チルドレンによる「83会」が記憶に新しい。08年の総裁選では、83会のメンバーが中心となって小泉元総理の再登板を支持するなど、政局にも絡んだ。自民党中堅議員は警戒交じりにこう話す。
「83会と違って、青年局には進次郎という核があるのでインパクトは強い。政策決定の過程で執行部にモノ申す場面も出てくるだろう」
あまりにも不気味な青年局の“旗揚げ”のインパクトは、永田町にも大きな波紋を広げつつあるのだ。