お笑いコンビ・ガレッジセールのツッコミ役の川田 広樹さん(46)が急性肺塞栓症の治療のため休養すると所属事務所を通じて発表したのは昨年6月8日。2週間にわたる通院治療と自宅療養を経て復帰したが、その後、9月に出演した「徹子の部屋」(テレビ朝日系)では、療養中には、お花畑の夢を見て暑くなってきて汗びっしょりになって起きるという、臨死体験のような経験をしたことも語っていたものだ。それにしても、急性肺塞栓症とは耳慣れない病名だが、実は身近に原因があった。
国立循環器病研究センターが伝えているところをまとめると、肺塞栓症とはこのような病気である。
《肺動脈に血液の塊(血栓)が詰まる病気のことで、9割以上は脚の静脈内にできる。この血栓を「深部静脈血栓症」といい、それが血液の流れに乗って右心房、右心室を経由して肺動脈まで運ばれてきて、肺塞栓症の原因となる。肺塞栓症は急性心筋梗塞と比較しても死亡率が高く、この病気が日本より多いアメリカやヨーロッパでさえ、診断がつかずに死亡する方が多いことが報告されている》
かなりやっかいな病気なのだ。血液が固まりやすい、静脈内血液の流れが悪い、静脈が傷ついているという状態で起こるというのだが、その原因が身近にあると医療関係者が説明する。
「多いのがエコノミークラス症候群。航空機や長距離バス旅行、新幹線などで、じっと座っている時間が長いと、脚がむくみ、静脈の流れが悪くなる。その理由に体内水分の不足がある。トイレに行かなくてすむように水分を控えると、体内の水分が不足し、血液が固まりやすくなる。また、航空機では機内の低い湿度、低い気圧によって、また背が低い人では、ひざの後ろ側を流れる静脈が、座席シートの角で圧迫されることが発症の危険因子と考えられています」
そして、このようなことは長時間座ったままデスクワークを続けても起こりやすくなるというのだ。予防は血流を良くすること。時々立って歩いたり足のマッサージをする。そして適切な水分摂取を心がけることだという。
やはり、常日頃からの健康の意識が病気のいちばんの予防のようだ。
(谷川渓)