石原軍団に重くのしかかる懸案事項が高齢化だ。そのため、3人の看板俳優に代わる役者の育成は重要かつ切迫した課題だった。
00年には新人発掘オーディション「21世紀の石原裕次郎を探せ!」で徳重聡(40)がグランプリを獲得したが、イマイチお茶の間に浸透しなかった。芸能評論家の三杉武氏はこう話す。
「そもそも『21世紀の石原裕次郎』という肩書が大きすぎて、プレッシャーがすごかった。そして時代背景の変化。裕次郎さんみたいに重厚感のある男らしい俳優が憧れの対象だった時代から、平成になって徳重が芸能界にデビューした頃はトレンディドラマが全盛期。視聴者が求める俳優のイメージとのギャップがありました。それでも昨年出演したドラマ『下町ロケット』(TBS系)で演じた嫌みな男の役が話題になり、一皮むけた演技が評価を高めています。年齢を重ねてもっと渋い魅力が出てきたら、ハネる可能性は十分あると思います」
徳重への期待は、石原軍団名物の「炊き出し」でも見られるという。
72年頃、映画のロケ現場で豚汁をふるまったのをきっかけに炊き出しが恒例になると、95年には阪神・淡路大震災直後に被災地の兵庫県に出動。11年には、東日本大震災で被災した宮城県石巻市に向かった。
「それぞれ役割分担があって、渡は焼きそば、舘はおしるこ、神田はお雑煮。徳重はカレーを担当しています。これまで一度だけ焦がしてやり直しを命じられたことはありますが、伝統の味を再現するそのセンスは石原プロでも一目置かれています」(芸能プロ関係者)
16年6月には熊本地震の被災地を支援するため、療養中の渡に代わり、舘が中心となって、5日間で計1万2000食を提供している。社会貢献でも評価される石原プロは、このまま報道されたように「解散」してしまうのか。
「『女性自身』の記事が出る前は、解散後、所属俳優は大手芸能プロのオスカープロモーションに受け皿になってもらうという話も出ていました。ただ、一転して渡さんは『解散撤回』の道を模索し、大番頭に舘さんを指名。神田さんとコンビで引っ張っていくことが期待されています。また、炊き出しは、徳重にカレーの味を後輩に伝授させ、今後は花形の焼きそばを任せることになりそうです」(石原プロ関係者)
7月17日に予定されている「石原裕次郎三十三回忌」で、何か重大発表があるのか。渡の決断の行方に注目が集まっている。