テリー 「ルパン三世」の名キャラクター・次元大介を最初のテレビシリーズで演じたのが71年。ひとつのキャラクターを48年演じていることになるじゃないですか。これってすごいことじゃないですか。
小林 ありがとうございます。まあ、昔のシリーズから変わらず演じているのは俺だけだから、結果としてそうなったというところはありますけどね。
テリー 小林さんにとって次元はどういう存在なんですか。
小林 こんなこと言っちゃうと、なんか偉そうに聞こえるだろうけどね‥‥「次元大介は俺だ!」って思っていますよ。
テリー 僕を含めて、ファンみんながそう思っているんじゃないですかね。
小林 本当に? だとしたらありがたいけれど、声ばかりは年相応なので、どうにもならない。ふだんはお聞きのとおり、ちょっとかすれているんですよ。
テリー それでも大丈夫なんですか?
小林 これが不思議なもので、お金をもらっている仕事となると、ちゃんと出るんですよ(笑)。
テリー ハハハハ。若い頃に演じた次元を見返したりすることはありますか。
小林 たまに昔の作品を見ることがあって、やっぱり若い頃は声に張りがある。もう全然違うんだよ。だけど、こちらにもプライドがありますから。「俺が演じる次元が、次元大介なんだ」というね。
テリー ええ、よくわかります。
小林 だから昔と比べて違ったとしても、今の俺なりの次元を見せていけばいいんだ、と思っています。もちろん、ファンの方が許してくれればの話ですが、できるかぎりはわがままを言わせてもらって、次元を変わらず演じていきたいと思っています。この先、ろれつが回らなくなったりしたならさすがに辞めますが、まだ全然大丈夫だから。
テリー 力強い言葉が聞けて、僕もうれしいですよ。このタイミングで、ルパン三世のスピンオフ作品「LUPIN THE IIIRD」シリーズの3作目も公開になりますよね。
小林 うん、「峰不二子の嘘」というタイトルです。父親が横領した5億ドルのカギを握る少年を連れての不二子の逃亡劇です。子供と一緒だから不二子ちゃんの母性本能が全開になるのが見ものかな。あ、テリーさんの大好きなお色気シーンもたくさんあります。
テリー へえ、まさにアサ芸読者向きの内容じゃないですか。
小林 ええ、誰でも楽しめる内容になっているので、ぜひ見てほしいですね。
テリー ちなみに、小林さんは声を保つためのケアなんかは何かされているんですか。
小林 いや、そういうのは全然やったことがない。週に2回くらいジムに行ったりするくらい。昔からアニメだけじゃなく、コマーシャルやナレーション、それこそテリーさんの番組とか、声を出す仕事を欠かさず毎日やっていたからじゃないのかな。とはいえ、年も年なので無理しないのが一番だとは思います。
テリー でも、ここぞの時はお願いしますよ。だって「ルパン三世」は人気作だから、またすぐ新作ができちゃいますから。
小林 そうだよね、俺はくたばるまで次元を演じるんだから(笑)。
◆テリーからひと言
ひとつの役を半世紀演じ続けられるって、本当にすごい。まさにギネス級の偉業だね。いつまでも渋くてカッコいい次元を演じてほしいな。