しかし、女王をここまで激怒させた背景には、ライバルの存在があったとも言われている。
「テレ朝は水谷豊(66)の『相棒』を絶大な人気シリーズに作り上げたが、刑事もの、医療ものを中心にその次の核となるコンテンツ作りを目指しているんです。女優では、今期視聴率トップとなった『緊急取調室』の天海のほか、異例の通年ドラマのシフトを敷いた『科捜研の女』の沢口靖子(54)、そして、今秋待望のシリーズ6作目が始まる『ドクターX』の米倉の3人がその筆頭株です。中でも全シリーズで20%超えを果たしている米倉が抜きんでているように見えますが、元宝塚トップ女優の天海は自分が1番だという絶対の自負を持っています」(スポーツ紙芸能デスク)
本音では「ドクターX」の大門未知子こそが最大のライバルと思い定めているようなのだ。
「米倉さんは期待されながらも『何度も同じ役を演じたくない』と続編制作を固辞し、昨年は『リーガルV』(テレ朝系)で弁護士資格を持たない弁護人で新たな役を広げ、今年夏のブロードウェイミュージカル『シカゴ』後には、『ドクターX』を再開することが既定路線になりました。キントリの撮影中に『ドクターX』が再開されることが発表されましたが、もちろん現場では、天海さんに気を遣って誰一人としてその話題に触れることはありませんでした」(テレ朝関係者)
米倉がこの秋、「緊急取調室」の上を行くモンスター記録を更新する可能性は高いだけに、天海が焦燥感を感じたとしても不思議はない。しかし、天海が米倉を逆転するプランも急浮上している。
広告代理店関係者が明かす。
「ズバリ、米倉の『ドクターX』より先にキントリを映画化することです。テレ朝といえば、『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『仮面ライダー』シリーズなど子供向け映画の印象が強いですが、『相棒』『交渉人』『臨場』などドラマ発の劇場版も数多い。近年、ドラマで高視聴率を叩き出しているテレ朝は次の劇場版作品を模索している。ドラマシリーズでさえ簡単にクビを縦に振らない米倉より、宝塚出身でスクリーン映えする天海こそ適任なんです」
はたして取調室から飛び出した天海が劇場を席捲し、「私、失敗しないので」と反撃の快哉を叫ぶのだろうか。
芸能評論家・三杉武氏が天海の今後について語る。
「さまざまなドラマや映画で活躍してきた天海ですが、これぞ代表作という作品は見当たりません。このシリーズは、米倉涼子の『ドクターX』のように自身の代名詞にしたいところです。その鼻息荒い意気込みがスタッフへの激しい叱咤につながったのだと思います」
テレビかスクリーンか?女王の座を巡る美熟女たちの争いがますます苛烈になっていくことは間違いない。