抜群の演技力を誇る女優や、パーフェクトなボディで魅了するグラドルたち。ところが、彼女たちには知られざる「もうひとつの武器」があった。それは、そこいらの歌手がハダシで逃げ出す歌唱力の持ち主であること!幕内下位の顔ぶれも多彩だ。
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仲里依紗は幻の歌唱を披露していた。
「ゼブラクイーン名義で歌った唯一の曲『NAMIDA~ココロアバイテ~』(10年)は、映画『ゼブラーマン ─ゼブラシティの逆襲─』の主題歌)です。伸びやかな歌声で裏声になる部分もうまい。最近はアイス『パルム』のCMでウルフルズの『ええねん』を、しっとり歌い上げています」(芸能評論家・織田祐二氏)
ドラマ「白衣の戦士!」(日本テレビ系)で主演した中条あやみも聞き逃せない。
「映画『覆面系ノイズ』(17年、松竹)でアカペラを披露。学校の屋上で歌い上げるシーンは、原作コミックやアニメ版のファンからは賛否あるが、歌声はいい。腹から声を出して、存分に歌い上げる。意表を突かれて、素直に感動しました」(前出・織田氏)
映画でクリスタルボイスを披露したのは門脇麦も同様。
「映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(17年、KADOKAWA/松竹)の劇中歌として、役名のセリ名義で山下達郎の『REBORN』を歌った。あたたかい歌声だが、ちょっとかすれていて本人が泣きそうになるシーン。聴いているほうも泣きそうになりました」(前出・織田氏)
ローラも超大穴で歌が抜群な1人だった。12年には劇場版「ポケットモンスター」の主題歌を歌い、16年には「DAM」のCMでAIの「Story」を歌い、いずれも「ガチうまい!」と騒然となった。
中谷美紀はアイドル時代にデュオ経験があり、女優として主演を張るようになってからは、癒やしの歌声を主題歌で何度かアピール。坂本龍一など名うての音楽家にも絶大な支持を得ている。
長澤まさみは、思いがけぬ役で歌唱力が光った。14年の「若者たち2014」(フジテレビ系)でシンガーソングライターの役を演じたが、ギターの弾き語りで歌う声が素晴らしいと評判になったのだ。かつてドラマ版の「セーラー服と機関銃」(06年、TBS系)でも主題歌を歌ったが、その時よりも成長を感じさせたようである。
竹内結子の唯一のシングル「ただ風は吹くから」(98年)は、初主演映画「イノセントワールド」(東北新社)の主題歌。
「当時たまたまCDを買って、奇をてらわない素朴な歌い方にぶっとんだ。曲も本当にいい曲でした」(前出・織田氏)
最後は朝ドラ「なつぞら」が高視聴率をキープする広瀬すずだ。17年にアニメ映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」(東宝)の挿入歌として、松田聖子の名曲「瑠璃色の地球」をカバー。CM同様に、光り輝く歌声で魅了した。