8月29日、対巨人戦の試合前に甲子園球場のクラブハウスに揚塩健治球団社長を含む3人の球団幹部が出向いて、今季で5年契約の最終年となった鳥谷敬と進退に関する会談が開かれた。在阪スポーツ紙記者が解説する。
「開口一番に揚塩社長から『鳥谷君、ユニフォームを脱いでください』と来季の構想から外れていることを通告されたといいます。30日に“引退勧告”の事実が報じられると、翌31日に『ファンの皆さんに、今シーズンで自分はどういう形にしてもタイガースのユニフォームを脱ぐということを伝えたい』と今季限りでの阪神退団という意向を話したんです」
コトの発端は、25日のヤクルト戦に遡る。今季の神宮球場での最終戦をみずからのヒットで飾った鳥谷は「神宮というか自分も最後かもしれないので、いい打席だったと思います」と進退についてほのめかすコメントを残したのだ。それ以前から球団は鳥谷に引退を打診するような接触をしていたという声も伝わってきている。
いずれにせよ、鳥谷の発言を受けた球団幹部が慌てて話し合いの場を設けたような形である。もちろん、引退の花道を飾らせるための段取りだったのかもしれないが、結論を急ぎ過ぎた感は否めない。
「歴代2位の1939試合連続出場、史上50人目の2000本安打達成という輝かしい実績を誇る阪神の打功労者に対する“球団追い出し”という仕打ちです。鳥谷は『移籍します。他球団でやります』と即答したそうです」(球団関係者)
この事態に阪神ファンだけでなく、阪神OBからも様々な声が上がっている。9月10日発売の週刊アサヒ芸能9月19日号では、吉田義男氏、田淵幸一氏、江本孟紀氏、中田良弘氏と、阪神OBたちが率直に意見を出し合っている。