自転車によって低下した男性機能は、回復するのか。治療・予防法を中村医師が語る。
「異変を感じたら、お医者さんに行くことです。今は有効なお薬がありますからね。薬というのは慢性前立腺炎の治療なので生薬・漢方薬が中心になります。EDは自費診療になりますが、困っているということであればそのお薬を出します。ペニスの中の動脈に血流を多く、長くとどめておけるという薬です。
また、薬を飲むことと併用して骨盤底筋体操をするといいでしょう。肛門を締めるような運動で、立っていても座っていてもかまわず、肛門を5秒締めて、ゆっくり力を抜くという簡単な運動です。朝昼夕就寝前の4セット。予防的には10回を1セットとして1日計40回行い、失禁がある場合は、1セット20回の1日計80回行うといいでしょう」
本格シーズン到来を前にして、自転車業界に思わぬ逆風が吹いているのだが、東京都内の、ある自転車店店主もそれは認めている。
「自転車EDは、この業界では知られた話です。自転車ブームで愛好者が増加するとともに、相談件数も増えています。相談してくる方の年齢は30代後半から50代後半くらいの通勤で自転車を利用している方が多いですね。体型的な特徴は特にありません」
自転車店では、スポーツタイプの自転車に乗った時のEDリスクを減らすために、こんな商品がよく売れているという。
「対策として、まず1つ目は、サドルを替える方法をお勧めしています。痛みを和らげるためのジェル入りタイプのサドルカバーは、座り心地が柔らかく人気です。ただ、自転車の見た目がカッコ悪くなってしまうのが難点です。サドルを替えるのに抵抗がある方は、パッド付きのインナーパンツを購入されます。ボクサータイプ型のパンツにパッドが入っていて、歩いている時でもゴワゴワしません。売れ行きは好調で、入荷してもすぐ売り切れてしまうほどです。インナーパンツよりさらに自然体を好む方は、バイクパッチを買っていきます。湿布のようにフィルムを剥がして、直接、会陰部の肌にスキンを貼ります。長時間使っても取れにくいのが特徴です」
これらの商品はED予防グッズとうたってはいないが、愛好者にとっては朗報と言えよう。自転車オヤジを襲うEDの恐怖は正しい知識で対応できそうだ。