自転車に勃起不全を起こす危険性があるという。本誌はそのメカニズムを徹底調査した。維持費もかからず、メタボ対策にもなることから、通勤の“アシ”として使う人も増えている。まもなく訪れるゴールデンウイーク、野外で疾走するオヤジたち必読の治療と予防策とは──。
円安の影響でガソリン価格も上昇、環境・健康意識の高まりもあり、自転車で直接、会社まで通勤する「自転車ツーキニスト」が増えている。都内在住のAさん(48)もそうした自転車オヤジの一人だ。
「歩くのが苦手なんですけど、自転車だと風を感じることもでき、苦になりません。会社まで乗って行きます。通勤費も浮くし、車と違ってガソリン・税金などの維持費もかからない。使っているのはスポーツタイプのもので長い距離も走れ、運動不足も補えますよ」
自転車産業振興協会によると、最新の調査で日本人の自転車保有台数は約8700万台。一店舗当たりの販売台数の調査では、スポーツサイクルが増加傾向にあるという。まさに自転車はエコ・円安時代の「国民車」と言えよう。
しかし、前出・Aさんはある不安を抱えている。
「通勤時間が片道1時間弱、今年は新しい自転車にしたということもあって、土日なんかも趣味で乗っています。最近、下半身に鈍痛のようなものがあり、おしっこをする時なんかに結構痛いんですよ。加えてアッチのほうが弱くなっている気がするのです。年齢的な問題にしては急に弱くなっている感覚があります」
健康自転車生活と引き換えに下半身に悩みを抱えたAさん。自転車先進国アメリカで、労働安全衛生研究所が長時間自転車に乗る警察官を調査したところ衝撃的な事実がわかった。ある泌尿器科専門医が語る。
「実際に鼠径〈そけい〉部(タマの付け根)にかかる圧力が測られました。自転車をこいでいる人は1平方センチ当たり202グラムもの圧力がかかることがわかりました。375グラムもの力がかかっている人もいました。この部分は、1平方センチ162グラムで血流の流れが悪くなることがわかっています。長時間、自転車に乗る人は、限界値を超える強い力を継続して受けており、血行障害が起こってもおかしくないと結論づけられています」
調査では、圧力がサドルの形状に大きく関わっていることも明らかになった。スポーツタイプの自転車などで使用されるサドルは硬質で、先端部が前方に突き出しているものが多いが、この形状により、先端の細い部分に体重が集中、結果、鼠径部に多大なダメージを与えることになるのだ。
「ママチャリのように、先が細くなっていないサドルでは、1平方センチ当たり71グラム程度の圧力しかかからないようです。毎週25時間自転車に、乗る人は、性的な機能低下を訴えていることも明らかになりました」
自転車は男の下半身に深刻なダメージを与えているのである。