ペナントレース終了を待たずに、大谷翔平が戦線を離脱し、左ひざに「緊急メス」を入れることになった。しかし、今回の離脱を予見するように、地元紙では「大谷、引っ込め!」とスタメンから外すよう、訴える報道も続けていたのだ。
「手術は無事に済み、全治まで2、3カ月を要すると発表されましたが、2週間程度でキャッチボール程度の練習なら再開できるそうです」(特派記者)
懸念されるのは、「二刀流」の復活時期。2020年シーズンからの投手復活を目指し、ピッチングの練習メニューを少しずつ増やしてきた。そんな状況を見かねてのことだろう。地元各紙は16打席ぶりに安打が出るなど打撃不振に陥っていた9月上旬、「チームはポストシーズンマッチに進む可能性がなくなったのだから、無理に出場させるべきではない」と、エンゼルス首脳陣を批判していた。また、「オレンジカウンティレジスター」紙では「昨年より打球の角度が低くなっている」と、具体例を挙げて、大谷のスタメンに疑問を呈してきた。
「言うまでもなく、今季は打者1本で戦ってきました。9月というと、ピッチング練習の量も増えてきたころでした。でも、その打撃成績が落ち込んできたので、打者としての練習時間も増やさなければならず、大谷は試合前から大忙しでした」(前出・特派記者)
また、同紙は「ケガのリスクを減らしたほうがいい」とも報じていたが、まさにその通りになってしまったわけだ。
大谷がメスを入れた左ひざだが、エンゼルスの発表によれば、「分裂膝蓋骨」。ひざの皿が2つに割れた状態を指すが、先天性とのことだ。しかし、大谷は「ジャンプをすると、痛い」「(走っていて)左足が前になるときに痛みが…」と話していたそうだ。
「球宴から痛みを訴えていた」(前出・特派記者)
一連の打撃不振は左ひざの影響もありそうだ。エンゼルスが大谷の出場にこだわった理由は、野手の頭数が足らないこと。大谷自身が「出たい!」と言って聞かなかったせいもある。
地元紙が報じた調整優先の批判記事に従っていたら、二刀流復活のスケジュールにも影響が出ることはなかっただろう。
(スポーツライター・飯山満)