エンゼルスの大谷翔平が5月7日(現地時間)のタイガース戦で219日ぶりに復帰。「3番・指名打者」でフル出場した。内容は4打数無安打1打点、1四球2三振だった。
それにしても大谷は、練習再開のゴーサインが出るなり、急ピッチで調整してきた感が強い。実はこれには、低迷するチームの事情も隠されていたというのだ。
「エンゼルスは僅差での最下位争いを続けています。勝率5割にも届かず、早くも来季に向けてのチーム再編が始まりました」(特派記者)
主砲・シモンズの放出説が報じられたのも、その一環だろう。メジャーリーグでは、優勝圏外に脱落したチームは主力選手を放出し、若手を獲得する。来年以降に備えるためだが、こうしたチーム再建案には、今回大谷の早期復帰も含まれていた。
「大谷がいないと商売にならないとまでは言いませんが、エンゼルスは大谷の影響力を再認識させられたことは間違いありません」(前出・特派記者)
エンゼルス関連のグッズの売上げだが、今年もトップは大谷だという。キャンプから別メニューでチームを離れていたが、球場に訪れるファンが真っ先に手にするのは大谷関連の品物だ。もっとも、二刀流デビューとなった昨季ほどよりは勢いは落ちているが、それでもチームトップなのは、ファンに愛されている証拠だ。しかし、こんな声も聞かれた。
「大谷復帰前は、エンゼルスは優勝圏内から完全に脱落したわけではないものの、勝率が悪くなればなるほど、チーム再編のためにレギュラー選手の放出トレードは激しくなる状況でした。もし大谷が復帰しないまま低迷が続けば、大谷の復帰に対するファンの見方も変わり、『無理をさせるな』の声が、どんどん強くなる懸念があったんです」(スポーツライター)
観客数も減ったエンゼルスにとって、大谷の復帰時期を前倒ししなければ、関連グッズの売上げを伸ばすタイミングも逸してしまう。
大谷は打者に専念すれば40本塁打、40盗塁というメジャー史上5人目となる偉業達成も期待されている。この「40×40クラブ」入りすれば、エンゼルスは大谷グッズの種類を増やせる。しかも、シーズン途中からの「40×40クラブ入り」となれば、稀少価値も高まり、新グッズも製作できる。エンゼルスは大谷を是が非でも早期復活させなければならなかったのだ。
(スポーツライター・飯山満)