AKBや坂道シリーズが依然として強い女性アイドルグループ業界において、その勢力を失っていないのは、ももいろクローバーZだ。昨年1月には、歌唱の中核であった有安杏果が電撃脱退して4人体制となったが、恒例の春・夏・クリスマスライブは変わらず数万人規模のアリーナやドームを満員にしている。
そんなももクロの「妹」グループは、全国に幅広い。“長女”は、東京が拠点の私立恵比寿中学。“次女”は、名古屋発のTEAM SHACHI(呼び名「しゃち」)。“三女”は、大阪発のたこやきレインボー。東北のご当地は、いぎなり東北産。九州発は、ばってん少女隊。
所属するスターダストプロモーションは昨年、設立40周年を迎え、同社の史上初のアイドルセクション「STARDUST PLANET」(略称・スタプラ)を創設した。ももクロをはじめ、前述のグループはすべてこのスタプラに所属する形だが、スタプラは、さらに、キャラクター性豊かなアイドルの誕生をさらに狙っている。そんなスタプラの楽曲には過去、なんとお笑い芸人も参画している。
「国際派タレントとして日米を股にかける渡辺直美は、“長女”エビ中(私立恵比寿中学)が18年6月6日にリリースした12枚目のシングル『でかどんでん』のミュージックビデオに出演しています。エビ中といえば、17年2月に松野莉奈が18歳の若さで夭逝。18年1月には、廣田あいかが転校(脱退)。6人の新体制となった一発目で、直美さんに力を与えてもらった形です。MVでは、直美さんプロデュースのブランド・PUNYUSの洋服をメンバーが着ています」(エンタメ誌ライター)
同じく昨年、紅白出場芸人とコラボしたのは、“次女”のしゃち(当時は「チームしゃちほこ」)。オリエンタルラジオ(中田敦彦&藤森慎吾)が結成したダンス&ボーカルユニット・RADIO FISHとタッグを組んだのだ。
「17年に『PERFECT HUMAN』で『NHK紅白歌合戦』に初出場したRADIO FISH。18年8月29日、“チームしゃちほこ×RADIO FISH”の名義でリリースしたのが『BURNING FESTIVAL』というサマーチューンでした。双方の単独コンサート、リリースイベントにも積極的に出演しました」(前出・エンタメ誌ライター)
ドランクドラゴン・塚地武雅がタッグを組んだのは、“三女”たこ虹(たこやきレインボー)。今年2月にリリースしたアルバム「軟体的なボヤージュ」に収録されている「あなたとの約束」で、作詞に初挑戦した。塚地は、大のモノノフ(ももクロファン)。その妹たちと14年からおよそ2年間にわたって、関西ローカルの「めざせ甲子園!つかたこレインボーロード」(関西テレビ)で共演していた。その縁で、詞を書く運びになったのだ。
頂点のももクロはもちろん、エビ中、しゃち、たこ虹のバラエティ気質は見上げたもの。人気芸人と「ズブズブのカンケイ」になれたことは、スタプラにとってかけがえのない財産だ。
(北村ともこ)