10月にスタートするNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」に、ももいろクローバーZの百田夏菜子がレギュラー出演するという。その朝ドラでは前クール「あさが来た」の終盤に突如、元AKB48の大島優子が出演して物議を醸したばかり。放送中の「とと姉ちゃん」にも元AKB48の川栄李奈がレギュラー出演しており、3作連続でのアイドル起用となった形だ。そんな配役についてテレビ誌のライターはこんな疑問を呈する。
「大島と川栄はまだ女優としての経験がありましたが、百田にはドラマ出演の経験がなく、演技力は未知数。それどころか2010年公開の『シロメ』はアイドル映画史に残る駄作として有名です。そう考えると百田の起用では知名度と話題性が理由なのは明らかで、これではヒロインオーディションで芳根京子に負けた新進女優たちも納得いかないことでしょう」
その朝ドラは出演へのハードルが高い作品として、女優たちが憧れる舞台のはずだ。アイドルをテーマとした「あまちゃん」でさえ、アイドルグループGMT47のメンバーを演じていたのは若手女優ばかりで、本職のアイドルは不在だった。それゆえここ3作品にて、演技力で選ばれたと思えないアイドルを連続起用しているのは異様な光景に映る。その変化について前出のテレビ誌ライターが続ける。
「実はNHKはアイドルが大好き。音楽番組の『MUSIC JAPAN』にはAKB48やももクロがしょっちゅう出演していますし、先日もベイビーメタルの特集番組を放送したばかり。教育バラエティ番組『Rの法則』(Eテレ)には若手アイドルを多数出演させるなど、アイドルとの親和性はますます上がっています。それがついに朝ドラにも影響を及ぼすようになってきたのでしょう。次はきっと、大河ドラマにもアイドルが毎回のように出演するかもしれませんよ」
アイドル好きからは歓迎の声もあがっているが、問題は視聴者を納得させられる演技ができるかどうかだ。その意味で、ももクロ百田にかかるプレッシャーは相当なものになることは間違いないだろう。
(金田麻有)