古くから「色の白いは七難隠す」と言われる。それほどに女の美肌は、全てをひっくり返す説得力を持っているのだ。
映画ライターの松井修氏が力説する。
「66年のデビューから半世紀以上がたつのに、由美かおる(68)は今なお同じプロポーションをキープし、50歳を過ぎても『水戸黄門』(TBS系)でお風呂シーンを見せていたのですから、これぞ美肌の女王ですよ」
初脱ぎとなったのは「同棲時代-今日子と次郎-」(73年、松竹)である。街のいたるところに由美の「見返りバックショット」の脱ぎポスターが貼られては盗まれ、70年代の映画シーンでは最大級の事件となった。
「カラミそのものはソフトなものだったけど、清純派で知られていただけに、脱ぎシーンを見られただけでも儲けもの。長年、西野バレエ団で鍛えた人のカラダは違うなあと感服しました」(前出・松井氏)
由美は映画会社にとって興行の華となり、以降も「しなの川」(73年、松竹)や「ノストラダムスの大予言」(74年、東宝)、「エスパイ」(74年、東宝)で立て続けに美体を見せた。
由美と同じく芸能界の大スターで、初脱ぎがニュースになったのは小柳ルミ子(67)だ。30歳で主演を飾った「白蛇抄」(83年、東映)は、タイトルそのままに「白蛇の化身のように妖艶な肌」がスクリーンに大きく照らし出された。
「彼女も長らくダンスなどでカラダ作りを怠らない。やはりカラダに自信があると、全てを見せたくなるのでしょう」(前出・松井氏)
天下の渡辺プロが猛反対した「性的欲求を抑えきれない女」を演じたことにより、この年の日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得。白蛇のような肌は、周囲の雑音さえもシャットアウトしたのだ。
「デビュー当時の森下愛子(61)も、肌のツヤ感が抜群でしたね」(前出・松井氏)
おっとりしたセリフ回しもそそられるが、色白のもち肌で、ほどよい大きさの美しい胸は絶品だった。特に初脱ぎ作の「サード」(78年、ATG)では、春を売る女子高生の役で、客と交わったあとに、白磁のような白いバストに汗がしたたる描写が評判となった。
さて現在、くも膜下出血の後遺症で闘病中の佳那晃子(63)は、80年代に数々の名作に出演。特に、初主演の時代劇映画「ザ・ウーマン」(80年、東宝東和)は、女優としての存在感を存分に知らしめた。
「一人で慰めるシーンも激しい交合シーンもあるけれど、そのカラダを堪能できるのは着物を脱いでのお風呂シーンですね。和風な顔だちに、色白で柳腰の美しい肢体が重なり、幻想的になりました」(前出・松井氏)
1日も早い回復を祈りたい。もう一人、80年代に鮮烈な印象を残した美人女優が白都真理(60)である。カルト映画の傑作とされる「人魚伝説」(84年、ATG)は、血まみれで復讐のための殺人を重ねるシーンと、あわや本番かと錯覚するような迫真のシーンが大半を占めていた。
「清水健太郎とのカラミは、男上位から抜かずにバックに移行する4分もの長丁場。白都のしなやかなカラダが珠のように美しく、別の男に性的暴行をされる場面では、美肌に返り血を浴びるシーンが絶妙なアクセントとなりました」(前出・松井氏)
もうひとつだけ松井氏に「推しの美肌映画」を挙げてもらうと、烏丸せつこ(64)の「四季・奈津子」(80年、東映)と即答する。あどけない顔に巨大なバスト、そして男たちを次々と虜にするしとやかな肌こそ、永久保存版モノだったという。