イギリスのメディアBBCが9月25日、日本の女性漫才コンビ「Aマッソ」が9月22日のイベントで差別発言をしたと報じた。それは、日本人選手として初めて世界ランキング1位となったテニスの大坂なおみ選手に対してだった。
この報道を受け、2人が所属するワタナベエンターテインメントは、〈弊社所属お笑いコンビAマッソのライブ中の発言につきまして〉と題した謝罪文を公式HPに掲載。Aマッソの加納愛子は〈笑いと履き違えた、最低な発言であったと今更ながら後悔しています〉、村上愛は〈勘違いをしていました。考えればわかるはずなのに多くの人を傷つける発言をしてしまいました〉と反省文を直筆で公表。また、大坂選手の所属事務所にワタナベエンターテインメントが謝罪したことも明らかになっている。
そして、この件は吉本所属のお笑いコンビ「金属バット」に飛び火した。彼らの代表的なネタで、すでにライブなので公開されていた、「笑点」(日本テレビ)の大喜利になぞらえて、座布団を運ぶ場面のクダリで、「黒人が触ったもん、座れるか!」とのセリフがふたたびクローズアップされ、問題になっているのだ。実は、金属バットのネタのほうは、前後の流れを見ると、人間が無意識に持ってしまう差別意識そのものを風刺し、笑いに落とし込もうとしているようなのだが、それでも、さる放送作家は言う。
「日本人は差別発言に対して鈍感なところがあります。しかも、金属バットの小林圭輔は、Aマッソのネタが炎上した直後、自身のツイッターで《Aマッソの流れ弾でKKKが炎上してまう》と、アメリカの白人至上主義団体の『KKK』の名称まで出して、まるでこの騒動を楽しんで、悪ノリしているともとれるツイートをしています。お笑いなら何でも許される、あるいは、そんな発言で笑いが取れると思ったら大間違いですよ」
一部メディアが、金属バットのこのツイートについて吉本側にその真意を問いただしたりと、騒動の余波はまた続いている。ともあれ、「差別発言で笑いが取れる」と思っていたとしたら、その時点で、少なくともまったく空気が読めない芸人であることは間違いないようだ。