42年ぶりのメジャー制覇で沸き起こった“しぶこフィーバー”は、収まる気配がない。だが、そこはプロの世界。黄金世代のライバル勢が目の色を変えて打倒・渋野日向子に燃える。すでに意外なところで、バチバチのバトルのゴングが鳴っていたのである。
今年8月29日に開幕した「ニトリレディス」の報道席は重苦しい空気に包まれていた。LPGA(日本女子プロゴルフ協会)関係者が振り返る。
「初日の渋野の組は、18年賞金ランク3位と4位で、日本人ワンツーの鈴木愛と比嘉真美子という注目の組合せでした。ところがラウンド中、3人が並んで歩くことはなく、会話を交わすシーンさえほとんどなかった。それこそ、スタート時の握手とあいさつ、スコアの確認ぐらいでしたね。あの陽気な渋野が、語りかけられないようなピリピリとした雰囲気が流れ、ラウンド後の渋野は『気、遣ったわ~』と苦笑いしていた」
シンデレラ・ルーキーに対する賞金女王候補の鈴木&比嘉の“黙殺包囲網”のようにも映る光景が、予選ラウンドの2日間にわたって続いたから、報道陣を慌てさせた。スポーツ紙デスクが苦笑する。
「3日制の大会なら2日目から順位ごとの組合せとなりますが、4日制では2日目も初戦のメンバーのままだけに、記者泣かせの大会でしたね。前日までの鈴木は『渋野さんに注目が行き、いい意味でほったらかしにしてくれると、私は回りやすい』と、笑っていたし、比嘉にしても『女子ツアーをメインとなって盛り上げてくれていると思う。私もそんなプレーがしたい』と話していたので、プレー以外でも3人で観衆を沸かせてくれると思っていたんですが…」
いざ渋野と顔を合わせると、今年の目標に賞金女王を掲げ、来年の東京五輪代表争いも演じているだけに、鈴木も比嘉も思わず敵対心をムキ出しにしてしまったのかもしれない。
その背景とは──。その全容は10月21日発売のアサヒ芸能10月31日号で詳細にレポートしている。