「サクラ…あなたがいない世界なんかに生きていたくない」
11月20日にオンエアされた「同期のサクラ」(日本テレビ系)の次回予告で、核心となるセリフが、ヒロイン・北野桜(高畑充希)の同期役の百合(橋本愛)によってつぶやかれた。毎回、泣かせるドラマとして人気が上昇し、初回8.1%だった視聴率は、7話では約50%増となる12.2%で最高記録を更新。
〈泣きすぎて放心状態。じいちゃんのコロッケ食べてぇ~〉
〈涙腺崩壊したんやけど。真剣爆泣きしたんやけど〉
〈人を助けるたびにサクラは辛くなって、しまいにはどん底まで〉
オンエア中からSNSには熱い感想が飛び交い、「同期のサクラ」がトレンド入りを果たしたほど。これまで、忖度しないサクラの正義感が同期の仲間や上司の窮地を救って来た。ただ、サクラ自身はその代償として部署異動や子会社への出向を余儀なくされる。
傷つき倒れそうなサクラを支えたのは、故郷の島から送ってくれる祖父(津嘉山正種)のFAXだ。ところが、故郷に橋を架ける大プロジェクトで帰省したサクラを待っていたのは、工事の不備への告発と、最愛の祖父の急死だった。地元島民への説明会で涙をこぼす高畑の演技は、若手女優No.1の呼び名に恥じない堂々たるもの。そして祖父の葬儀を終えてアパートに戻ると、そこには祖父からのFAXが届いていた。
「桜は決して枯れない。たとえ散っても必ず咲いて沢山の人を幸せにする」
もう、そのFAXに返信しても届かないことに泣き崩れるサクラ。そして視聴者も同様にボロ泣きしてしまったのである。
次回はいよいよ、サクラがこん睡状態に陥った秘密などが明かされそうだが、残念なことに特別大型番組のオンエアで1回休止となった。ネット上では「サクラロス」を嘆く声にあふれたが、これと同じく「右肩上がりの視聴率」と「ヤマ場での1回休止」を経験していたのが、あの「半沢直樹」(13年、TBS系)である。この時は参院選のため休止はやむなしだったが、逆に飢餓感をあおったことで、その後の視聴率がさらに急カーブを描いた。どうやら「同期のサクラ」にとっても、特別編成は「天使の休息」となりそうである。
(石田伸也)