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藤岡弘、の「珈琲道」(1)イノシシも恐れずに源流へ

 まさか珈琲にここまで人生を賭けた男がいようとは思わなかった。水には妥協せず、世界各国の珈琲文化に触れ、そして精神を注入して淹れる。「珈琲は人生」とまで語る、藤岡弘、の熱き思いが爆発した!

 珈琲は1日5~6杯飲みますね。自然と体が求めるんです。体が求めない時は飲みません。

 朝、仕事前に飲む珈琲は意識がオンになる。だから仕事前に飲む珈琲のことを私は「戦闘モード珈琲」と呼んでいます。

 私の場合、珈琲を淹〈い〉れる水は、富士山麓から湧き出る石清水じゃないとダメですね。体がいちばん喜ぶ水、軟水で雑味やエグミがまったくなく、体にスーッと入っていくんです。水道水で淹れた珈琲は飲みません。体が受け付けないんです。

 40年以上前から、飲み水は富士山麓の湧水と決めているという藤岡。オフの時はリュックにボトルを背負って山の水を汲みに行く。

 朝の4時頃キャンプを張ったベースを出発して渓流に沿って道なき道を3~4時間。これは水のためだけじゃなくて自然に触れることによってストレスを解消したり、気持ちが優しくなったりする癒やしの効果を求めてるんです。

 湧水があふれる源流にたどりつくまでに、カモシカやイノシシ、クマも出ますからね。崖を登るロープやナイフも持って行きます。サバイバルの完全装備ですよ。

 それと、イワナ釣りのサオを2本。イワナは警戒心が強く、人が入っていないところに行かないと釣れない。入っていないところに行くには、ホントに命がけなんです。雑念なんかなくなります。

 弟子たちも同行するんですが、私に必死に付いてきますよ。付いてこなかったら死んじゃうから(笑)。飯も食えないし。岩場ですからマムシも出ます。

 まるで国内版の「藤岡弘、探検隊」だ。珈琲を飲むためにここまでして水を汲みに行くツワモノは藤岡以外にいないだろう。

 源流に着いたら、まずイワナを釣る。そのイワナの腹を切って、何を食べてるか確認する。それと同じ餌を辺りで探すんですね。釣りは魚の食性を探るのが一番です。

 釣ったイワナは刺身におろします。山の源流には山わさびが生えてますから、それを岩石ですって、しょうゆを垂らすんです。

 うまそうでしょ? たまんないですよ。そして、いよいよ源流の石清水で珈琲を淹れるんです。

 大自然を体感しながら、そこに流れる石清水で珈琲を淹れたらうまいに決まってます。喫茶店で飲む珈琲とは全然違うんです。

 40年、こんな生活してますからね。珈琲に湧水を使うのは体が求めてるから。スケジュールが3日空いたら汲みに行っちゃうんです。思い立ったら、夜中でも「今から行くぞ!」と、弟子たちを叩き起こして行くこともありますよ。

 水へのこだわりは生半可ではないが、豆へのこだわりはどうなのだろうか。

 どこの豆が一番ということは言えないんですね。それぞれの地域、国で独特の味がある。その国の水、環境が珈琲をおいしくさせるんですね。

 私は海外に出た時、現地の生豆をお土産に持ってくる。まだ青い豆ですよ。

 日本に帰って、汲んできた湧水で豆を洗って天日で干して、日本の炭で炒って、豆を粉砕して点たてる。

 おいしいんです。その国で飲んだ時とはまた違った味わいなんです。

 日本の精細な味が出てるのかな? 珈琲は日本の軟水で飲むと格別ですね。

 ヨーロッパなどは硬水が多いですが、硬水はミネラル分が多い分、珈琲の味が変化してしまうのではないでしょうか。

 珈琲そのものの味を楽しみたいのであれば、現地で生豆を手に入れて、自分で点てて飲むのが最高の贅沢だと思いますね。

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