昭和の銀幕には存在しなかった「劇中の艶ビデオ女優」という存在。今や、ストーリーの展開に欠かせぬほどの価値を持つ。
映画評論家の秋本鉄次氏は、昨年公開された「友罪」(ギャガ)でヒロインを演じた夏帆(28)に衝撃を受けたという。夏帆が演じたのは、かつて男にだまされて艶ビデオ出演を強要された藤沢美代子の役だが、秋本氏によると、「その過去から逃れるため、人目のつかないところでひっそりと暮らしているという設定」で、その過去として、艶ビデオの撮影シーンが「何度も出てきます」という。
ビデオもソフト型ではなく、集団で性的暴行をされるというハードなものだ。セーラー服を着た夏帆が、何人もの男たちにかわるがわる性的暴行をされるという映像でした。全脱ぎこそないものの、巨胸が揉まれ、挿入されている動きがわかる場面があるという。
「夏帆自身が『正直、即決で決められたわけではなかった』とオファーに対しての苦悩を明かしたほど、女優としての分岐点になった役だと思います」(秋本氏)
映画では「艶ビデオの回想シーン」だけでなく、実際にも性的暴行をされるという酷な展開を見せた。夏帆は来年2月公開の「Red」(日活)で、初の本格的なベッドシーンが予定されている。三十路を前に、熟した艶技を楽しみに待ちたい。
Iカップの美しい爆裂バストがまぶしい神楽坂恵(38)が脱いだ作品は多いが、最も扇情的だったのが「恋の罪」(11年、日活)だ。かつて起きた「東電OL殺人事件」をモチーフに、日常とかけ離れていく女たちを描いた。ごく普通の主婦だった神楽坂が、スカウトマンにだまされて艶ビデオを撮影。さらには夜のサービス嬢になっていくところまでを演じた。秋本氏によれば、いずれのシーンでも彼女のバストがド迫力で、そうした胸が好きな人には、「たまらない作品」だという。
神楽坂は本作の公開前日、監督を務めた園子温氏と入籍する。妻の肢体を夫が舐め回すように映像に収めたかと思うと、また違う興奮にそそられるが。
闇金融の世界を描いてコミック、ドラマ、映画と展開した「闇金ウシジマくん」(12年、S・D・P)の劇場版第1作では、主演の山田孝之と同じ「カウカウファイナンス」の元社員として、片瀬那奈(38)が出演。実は彼女、元艶ビデオ女優だった過去を持っている。残念ながら艶っぽい場面はないが、役柄としては妄想させられてしまう。
続く「闇金ウシジマくん Part2」(14年、S・D・P)では、門脇麦(27)が運命に翻弄される役を好演。本作の直前に公開された「愛の渦」(クロックワークス)では、不特定な男女が性的行為をしまくるパーティーに出入りする欲望が強すぎる女子大生を全脱ぎで演じて絶賛された、という秋本氏によれば、そこまでの肌見せではなかったが、好きになったホストに貢ぐため、艶ビデオ出演や夜のサービス業勤めを繰り返す17歳のフリーターを熱演。「最近の女優としては珍しく、激しいベッドシーンもいとわない姿勢は評価が高い」(秋本氏)という。
元AKB48の平嶋夏海(27)は、艶ビデオ制作の現場の舞台裏を描いた「メイクルーム2」(16年、キャンター)に出演。その役柄設定はこうだ。
〈人気アイドルグループから恋愛発覚で卒業させられ、事務所も変わり、舞台などに出ていたが、ついに艶ビデオデビューする大型新人〉
平嶋の経歴と少し重なるところもあり、アイドル風の衣装を着せられて「2度とこんなの着させないで!」とブチ切れるシーンにはドキリとさせられる。
残念ながら濃厚なシーンはないものの、試みとしては上出来であろう。