12年にわたってお茶の間を楽しませてきた太川陽介と蛭子能収の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」(テレビ東京系)が昨年12月25日に終了した。2人は2度目の引退で、今度こそ本当に最後となるようだ。
今やバス旅ファンの興味は「次は誰がコンビを組むのか」に移っている。田中要次と羽田圭介のコンビは評判もいまひとつで、続投を望む声が少ない。彼らは次の旅を失敗すればクビになることが決まっているため、興味は“その次”に移っているというわけだ。
そこで番組ファンや業界関係者の間で急浮上しているのが、バス旅が始まった「土曜スペシャル」(テレ東系)で、「秘境路線バス乗客ふれあい旅」のメインを務める中山秀征だ。
「田中と羽田のコンビが不評である理由が、乗客とのふれあいが少ないことです。2人はトークをうまく転がしていけるタイプではないので、仕方がないところではあります。その点、中山なら一般人いじりもお手の物。『秘境路線バス乗客ふれあい旅』では、一般人との心温まる交流をみせています。同じバス旅ですし、本家を受け持ってもおかしくありません」(テレビ誌ライター)
さらに「秘境路線バス乗客ふれあい旅」のルールがどんどん厳しくなり、つらい旅になっていることも、中山が次のバス旅コンビ候補である理由との指摘もある。
よく知られているように、本家バス旅はバスがないところは歩かないといけないルールで、時には山の中の上り坂を10キロ近く歩くこともある。蛭子能収はそれに音を上げて引退を決意した。そこで番組スタッフが中山を鍛え上げるため、秘境路線バス乗客ふれあい旅のルールを厳しくしているというのだ。
秘境路線バス乗客ふれあい旅は1月11日に放送される最新回で5回目。ルールは毎回少しずつ変化している。基本は秘境路線バスに乗って、途中下車しながら目的地を目指すというルール。第1回は「バスの乗客全員とふれあって、旅情報をゲットし、その中から途中下車する場所を決める」というものだった。ところが第3回で「バスの乗客にどこで降りるか聞いたら、必ずそこで降りないといけない」という厳しいルールになっている。
そして第5弾では「バスの乗客と一緒にバスに乗って、一緒に降りる」というルールで、乗車にも制限が加わった。乗車する人がいなかったら、バスが来ても見送るしかなく、ひたすら乗客が現れるのを待つしかない。秘境路線だけに乗客はとても少なく、乗客ゼロということもザラ。かなり厳しいルールであるのは間違いない。番組HPでも「番組史上最もシンプルかつ厳しいルール」と紹介している。
「これに比べればバス旅のルールはやさしく感じられるのではないでょうか。体力的にはきついかもしれませんが、精神的にはだいぶ楽なはずです。こうして中山を鍛えておいて、本家バス旅に異動させるのかもしれません」(前出・テレビ誌ライター)
秘境路線バス乗客ふれあい旅はバス旅の試金石となるのか。1月11日の放送に注目だ。