同じ芝1200メートルでも中京だけは別だという。
「中京はJRA10場の芝コースの中で、最も傷みやすい。これは開催時期や障害戦、多頭数競馬などが影響しているようで、1回開催(1月16日~31日)以降は外差し傾向が出始めます」
3月の最終週に行われる高松宮記念の芝1200メートルは、差し・追い込み馬が有利の唯一の芝1200メートルコースだ。
「スプリンターズSの舞台の中山芝1200メートルと比較すると、どちらも下って上がるコース形態で、高低差も似通っているにもかかわらず、両者の3着内馬の脚質分布を見ると、違いが明らかです」
全ての芝1200メートルの中で、中山の逃げ(総合11.9%)の有利度は全体でブービーながらも、最下位の中京(同8.6%)と3%ほどの差が出る。特に中京1000万~1600万クラスの逃げは、わずか4.5%で、差し・追い込みが37.9%を誇る。
「ただし、中京のダートはおおむね先行が有利で、中でもダ1800メートルの1000万~1600万では50%オーバー。このコントラストも覚えておきたいですね」
コース別の比較という点では、京都と東京の芝1600メートルも数値に大きな差が見られる。
「京都外回りのマイルが差し・追い込み向きというイメージは、内回り(新馬、未勝利、500万下で使用)と外回りの存在のコントラストが作った思い込みにすぎません。京都外回りよりも逃げ・先行馬の成績がいいマイルは、京都の内回りだけですからね」
一方の東京芝マイルは、ゴール前の直線が525メートルと長いこともあり、差し・追い込みが有利だ。
「『中距離並みのスタミナを要求される』と言いますが、速いラップを経験しているという点で、2つコーナーのコース実績のほうが当てになると思います。特に洋芝の短距離戦であげた実績は軽視できず、また、京都の好走実績も長い脚を使える点で共通するため、信用できます」
ただし、中京のように逃げ馬が全ての芝コースで苦戦し、3着内率が1桁台というわけではない。東京芝1400メートルでは11.7%、芝2000メートルでは10.5%が逃げ切りだけに、先行脚質馬の軽視は禁物なのだ。
「JRAの芝は、今後もどんどん遅くなりますね。北海道の洋芝馬場の硬度は、80G以下くらいですが、毎年シャタリングマシンを使うとなると、どれくらい柔らかくなるのか、想像がつきません。これからは、どんなレースでも、まず先行脚質の馬から取捨選択を始める癖をつけておくべきかと。その時、スタートで先手を取りやすい偶数枠番の馬に注意することも馬券向上につながると思います」
城崎氏の“新常識”で、16年の競馬は、勝ち組に加わりたいものだ。