いよいよ本格的な首位攻防戦が始まるセ・リーグ。しかしラストスパートに入った交流戦では、巨人と阪神の2強が、パ・リーグ各球団の後塵を拝するという体たらくぶり。さらには、急浮上で首位をうかがう和田阪神に対し、ジリ貧に悩む原巨人に起死回生策はあるのか。テレビでは報じられない首位攻防のベンチ裏を、緊急レポートする!
戦前の下馬評でも、ダントツの戦力で優勝候補の筆頭にあげられていた巨人。ところが、蓋を開ければ5月に入って急ブレーキ。その理由は、原辰徳監督(54)の“イライラ”にあるという。スポーツ紙記者が解説する。
「実は、原さんのイライラの原因は、5月5日の松井(秀喜)の国民栄誉賞の授与式にあるんですよ。昨年日本一に返り咲き、球界の名伯楽の座をほしいままにしたばかりのやさき、『来季は松井秀喜監督』という報道が“既定路線”のような雰囲気になり、原監督は明らかにイラだつことが増えた。もともと両者の関係は、第1次原政権時代に、松井がFA宣言をしてメジャーに行った溝がいまだに埋まっていない状態。原監督の表情には『何で一丸となって戦っているこの最中に、来季の話を出すんだ!』という不満の色がアリアリです」
チーム状態も原監督のイライラを反映してか、不安定な状態が続いている。松井氏の国民栄誉賞授与式の翌日からの対阪神に3連敗。続くDeNA戦でも、7回を終わって7点リードから逆転サヨナラ負けを食らうありさまだった。
その後も、ピリッとしない凡ミスが続き、5月5日以降の勝率は4割台に急降下。開幕から7割の勝率を誇っていた巨人だが、6月2日には阪神に首位を奪われるなど、踏んだり蹴ったりだった。
そんなチーム状況が露呈したのは、5月26日の対オリックス戦だった。
原監督は、1回表の守備でエラーをした村田が、その裏の第一打席でも三球三振を喫するとすぐにベンチに下げるという“非情采配”に踏み切った。試合後、原監督は目を真っ赤にさせ、「心技体ともに準備不足と判断した」と怒り心頭。
これに、ショックを受けたのは、他ならぬ村田だった。
「昨オフの最中に、球団のスタッフから各選手へ、『日本一の記念に原監督がロレックスの時計を背番号と同じ88個特注したから買わないか?』と電話があった際、村田は1個77万円以上するモノを4個も購入。若手選手がためらう中、『これでレギュラーは安泰だな』と話していたんですけどね(笑)。ベテラン選手への非情采配は清原が現役時代からの伝統ですが、晩年の清原のように『使えなくなったとたんに外様のFA選手に冷たいのが巨人』という声も根強くあります」(スポーツライター)