すでに、松の次回作は決定している。今年公開予定の映画「峠 最後のサムライ」(松竹)だ。司馬遼太郎原作の歴史小説の映画化だけに、ラブシーンなどの期待感は小さい。だが、沖氏はこう話す。
「全てを見せないのに色香を体現できる、松は希少な女優です。いっそ一糸まとわぬ姿になるより、入浴シーンを極めてほしいですね。次回作は幕末から戊辰戦争にかけての時代劇。板の隙間から湯気が漏れ、その奥にある杉風呂で日本髪を結ったうなじに手拭いを当てる‥‥。そういうシーンを演じられるのは、日本で由美かおる(69)以降は、松しかいないのではないでしょうか」
由美といえば、ドラマ「水戸黄門」(TBS系)での入浴シーンはあまりにも有名。実に200回も演じたことで、「同一ドラマシリーズにおける1人の俳優の入浴シーン放映回数」でギネス世界記録に認定されているほどだ。
松には「後継者」として、この記録を抜いてほしいところだが‥‥。
「時代劇受難の時代で、長らく続くシリーズドラマがない状況ですから、さすがに入浴回数を抜くのは無理でしょう。でも、由美は50代後半まで入浴シーンを演じた。松がその年齢を超えることは不可能ではないのでは。今回の『ラストレター』で、松は由美のようにいくつになっても、ほんのりとした色香の中にも凛とした雰囲気を保っていることが証明されたわけですからね」(沖氏)
しかも、松が女優業に打ち込める環境は整っている。現在、夫の佐橋との間に授かった長女は4歳。まだまだ手がかかる時期だが、夫と実母がしっかりとサポートしてくれているのだ。
「先頃、出演したバラエティー番組で、松は舞台の地方公演で長期間、家を留守にすることがあり、夫から『マグロ漁船の漁師と結婚した気分』とジョークを言われたことを告白。それだけ夫婦仲が良好ということなんでしょう。地方公演の週末には長女を地方に呼んで、一緒に過ごしているそうです。女優としての野望もそうですが、長女を音楽家にするという子育ての野望もかなえようとしている。どちらも順調に進んでいるようです」(芸能記者)
公私ともに充実しており、スクリーン上で何度も入浴できる下地はできた。梨園出身らしく、ぜひとも松には「二代目由美かおる」を襲名してほしいものだ。