与田剛監督率いる中日のベテラン投手・吉見一起が復活したことで、あの投球フォームがブームになりそうだ。
2月22日、吉見はオープン戦初戦で2回無失点と結果を出した。近年は右ひじの故障で成績も低迷していたが、実戦初登板に備え、休日返上でピッチング練習も行っていた。与田監督も「(ストライク)ゾーンで勝負する意図が見えた」と“合格点”をつけていたが、吉見も「あの投法」に投球フォームに変えていた。
あの投球フォームとは、巨人・菅野智之と同じスタイル。一足先に公開した、腕を先に動かしてから足を挙げる変則フォームだ。
「ボールを(対戦打者から)見えにくくするため」
吉見は菅野ほどハッキリした変則ではない。ほんの少し、小さく腕を先に動かすだけだ。菅野はスポーツトレーナーのアドバイスにより、上半身から始動するスタイルを模索した。理由は異なるが、同じ変則投球フォームにたどり着いたところが興味深い。
「吉見はプレートを踏む位置も一塁側に変えました。左バッターの体の近くからストライクゾーンに曲がるシュートも習得中です」(スポーツ紙記者)
かつて、野茂英雄投手の変則フォームが「トルネード」と呼ばれたように、菅野、吉見の新フォームにも異名がつけばおもしろいのだが…。
年齢とともに、筋肉量や瞬発力も異なってくる。これまでのスタイルを変える時、故障を起こさないかというリスクもともなうが、挑戦する勇気もベテランには必要のようだ。
(スポーツライター・飯山満)