最近、何かと話題になるのが、芸能人のグループ脱退、そして大手事務所からの退社・独立問題だ。今後の展開が期待されて、その一挙一動に注目が集まる者もいれば、まるで話題にならないというシビアな現実に直面する者も‥‥。
「最近、大手事務所から移籍する芸能人が増えているのは大きく分けて2つの理由があると思います。まずはメディアに出なくても、YouTubeで成功するという新たな道ができたこと。そしてもう一つは、昔に比べて芸能界からの締めつけが緩くなってきたこと。とはいえ、どちらにしても最終的にはその人の力量がないと、生き残るのは無理ですが」
こう語るアイドル評論家・堀越日出夫氏が今すごく心配なのが、3月に芸能事務所を退社した安田美沙子(37)だという。
安田といえばギャラアップの交渉が決裂、所属事務所と訴訟中であることが明らかに。さらにその数日後、夫の不倫も発覚するという、まさに泣きっ面にハチの状態なのだ。
「不倫に関しては全面的に夫を許す立場を明らかにして、早々に収束させたのはみごとでした。でも元所属事務所とのゴタゴタは明らかにイメージダウン。新型コロナの影響でこの先どんどん芸能界の生存競争が激しくなる中、安田のような代わりがききそうな立場のタレントの生き残りは厳しくなると思います」(堀越氏)
一方、今年に入って数々の看板女優が移籍を表明しているオスカープロモーションでは、90年代に一世を風靡した女性グループの3代目を売り出そうとしている。
昨年9月に「C.C.ガールズ3」としてデビューした彼女たちだが、わずか1カ月後にメンバー5人のうち2名が「体調不良」を理由に脱退、事務所を退社している。現在は新メンバー2名が加わっているものの、まだまだC.C.ガールズ3の存在そのものの認知度は低い。
「オスカーは単体の女優さんを売り出すすべにたけているんですが、グループを売り出すセンスが致命的にないという印象です(笑)。唯一成功したのがC.C.ガールズですが、今のメンバーは全員同じタイプの美人モデルばかりで、各自のキャラがまったく立っていません。そのせいか、今のところ売れる気配もなく、彼女たちも困惑しているのでは」(堀越氏)
そのオスカーで、昨年12月にひっそりと退社したのが、忽那汐里(27)である。剛力彩芽や武井咲とともに「オスカー3人娘」として、猛プッシュで売り出そうとしていたのだが‥‥。
「忽那は07年に『3年B組金八先生』でデビュー、11年には大ヒットドラマ『家政婦のミタ』にも出演。作品には恵まれていたのですが、なぜかパッとしなかったんです」(堀越氏)
さらに泣けるのは、退社のタイミングすらも米倉涼子や岡田結実といった人気者の退社ニュースの陰に隠れてしまったこと。ここまで不運が続くと、いささか同情してしまう。
そして先に堀越氏も指摘したとおり、最近はYouTubeに活路を見いだして事務所を独立するタレントも増えているのだが、ここでも笑えない現実が。
まずは昨年6月に太田プロダクションを退社した山田邦子(59)。現在「山田邦子 クニチャンネル」を開設、ユーチューバーデビューを果たしているが、結果は芳しくない。
「若年層は、山田邦子の存在すら知らないのでは? 戦略がきっちりあるならいいのですが、配信している内容は『太田プロを辞めた理由を話します』といった、いまさらどうでもいいもの。いくら考えても、今の時代に切るカードではありません」(堀越氏)
一方で堀越氏が応援するのは、3月にワタナベエンターテインメントを退社したブルゾンちえみ(29)だ。海外留学の計画もあったが、新型コロナウイルスの影響により無期限延期。さらに心機一転、「藤原史織」と本名に「改名」して、「おしおひとつまみチャンネル」というYouTubeチャンネルを開設したばかりだが、やはり認知度は低空飛行を続けている。
「こちらは成功した過去と決裂して、新しいことをやろうとしている。そこまでの覚悟があるなら、ぜひ思い切りやってほしい」(堀越氏)
まずは、「藤原史織」の名を世に広めるところからスタートか。