ヨーロッパサッカー専門メディア「TRIBAL FOOTBALL」が4月20日、スペインでプレーする日本代表MF久保建英について言及。「レアル・マドリードのサポーターが注目すべき20歳以下の5人」に選出している。
イングランド・プレミアリーグやスペインのリーガ・エスパニョーラなど、主にヨーロッパサッカー界の最新移籍情報を発信する同メディアは、“レアルの未来を担う若手“5名を選出し、その筆頭としてプレシーズン中にレアルのユニフォームを着た久保の写真をトップに掲載。具体的なプレースタイルとして〈圧巻のボールコントロール技術を備え、その体型からも“日本のメッシ“と称される〉と説明し、〈世界で最も将来が期待される若手選手の1人〉と位置付けると、〈18歳という年齢ながら日本代表でも7試合に招集され、着実に存在感を見せつけている〉と代表チームにおける立場についても言及した。
さらには、現在レアル・マドリードで背番号10を背負い、2シーズン前には世界最優秀選手賞も受賞したクロアチア代表MFルカ・モドリッチが34歳と高齢であることから、久保にその後継者としての役割を与えられる可能性もあると指摘している。
「20歳以下の注目プレーヤーに久保が選ばれたことは素晴らしいことですが、日本のファンが違和感を覚えたのはヨーロッパメディアがたびたび久保にモドリッチの後釜としての役割を期待している点です。久保は最前線のストライカーのすぐ背後にポジションを取ることが多く、ピッチを縦横無尽に走り回りながら攻撃と守備を幅広くカバーするモドリッチとはプレースタイルも仕事の種類も根本的に異なります。サポーターの間でも、久保がモドリッチに代わる存在として紹介されたことには『久保はもう一列ポジションが前かな』『モドリッチとは違うでしょ』との声が漏れています。しかし、昨年夏のプレシーズンマッチではレアルのジネディーヌ・ジダン監督ですら、ピッチ上での久保に、モドリッチのこなすミッションを与え、攻守での高い運動量を求めました。まだ欧州では久保のプレースタイルが浸透しきっていないという事情もありますが、久保のやりたいプレーと、レアルが久保にやらせたい役割とにズレが生じているのであれば、いざクラブに復帰(現在はマジョルカに期限付きで移籍中)しても“期待外れ“の烙印を押されてしまう可能性もありますからね」(スポーツライター)
今回の同メディアによる久保への評価は、ファンからすれば、諸手を挙げては喜ぶことができないものとなったが、まずは自分のカラーを徹底的に打ち出し、“これが久保建英だ“ということをとことんまでアピールしていく必要がありそうだ。
(木村慎吾)