NHK朝ドラ「エール」の視聴率が、徐々に上向き傾向だ。5月13日に過去最高の世帯平均視聴率21.6%を記録。週間視聴率も今までで最高の21.2%を叩き出した。これには、主演・窪田正孝とヒロイン役の二階堂ふみの若手ながら安定した演技力に加え、脇役として豪華で個性あふれる俳優陣が次々登場。視聴者が飽きずにいることがあるようだ。
が、一方では、ある不安要素を指摘するコメントがネット上で目立つという。
芸能ライターが言う。
「当初脚本を担当していた林宏司氏が早々に離脱したことで、《くだらないドタバタ喜劇になりつつある》《薄い脚本を本格的に演技すると、まるでLIFE(編集部注:NHKのバラエティ番組『LIFE!~人生に捧げるコント~』)のよう》といったように脚本を非難するコメントが見受けられます。例えば、最高視聴率を出した5月13日放送回。窪田が扮する古山裕一と二階堂が演じる音が初めて夫婦喧嘩をした翌朝、ふだんはオドオドしがちな弱気な性格の裕一が、十分な朝ごはんを用意してもらえなかった腹いせに、音が嫌いな納豆を買って鼻歌まじりで帰宅し、イヤがる音の前で涼しい顔で食べ始めた。これには翌日の『おはよう日本』で桑子真帆アナが『いつもはおっとりしている裕一さんですけど、たまに性格変わりますよね? 昨日の納豆攻撃…。ビックリしました』などと番組につなぐ形の発言をしていました」
また、オンエアが始まってしばらくは、〈原作/林宏司〉とテロップが流れていたのだが…。
「その後、4月20日の第4週『君はるか』からは、《原作/林宏司》《脚本/吉田輝幸》と併記される形に。さらに5月11日の第7週『夢の新婚生活』からは、〈作/清水友佳子〉とクレジットが入り、《原案/林宏司》のテロップはスタッフクレジットの最後のほうに流れるようになりました。で、このまましばらくは清水氏で続行なのかと思いきや、5月18日の第8週『紺碧の空』からは、《作/吉田輝幸》とあり、第7週と同様に《原案/林宏司》が、最後のほうに出るという具合。林氏が『エール』の制作を離れることを表明してから、清水氏ともうひとりの女性脚本家・嶋田うれ葉氏が抜擢されましたが、時間に余裕がなかったようで、番組スタッフで演出担当の吉田氏が当面脚本を担当し、3人での共同執筆になったように見えますね」(前出・ドラマライター)
ネット上では、〈演出担当が次の担当が決まるまで、とりあえずつないで作った。後任の脚本家も明らかに準備不足、それが今までの放送の中に出ています〉〈来春また初回から放送し直すのがいいと思います〉〈オリンピックも延期になったし。脚本も練り直してゆっくり撮り直したら〉などのような声も出る始末。
「『エール』は、地元の誘致活動でドラマ化が実った初めてのパターンというだけあり、放送初日3月30日は、ドラマの舞台の一つである福島県に限った総合視聴率は43.6%と高い注目を集めています。今後も好調をキープするには、01年の『ちゅらさん』(01年)や『あまちゃん』(13年)のようにご当地ネタや地域色を出し、郷土愛も入れながら、地元ファンの心をガッチリとつかみつつ野田洋次郎、山崎育三郎、柿澤勇人といった、音楽や歌う場を主戦場としている人たちの登場で、後から視聴者となった層をこのまま囲っていくことが最重要案件と言えそうです」(前出・芸能ライター)
コロナ禍で第13週目となる6月27日をもっていったん放送が休止となるようだが、無事にクランクアップを迎えるられるよう、何かとしわ寄せがいきがちなスタッフ勢にも“エール”を送りたいところだ。
(島花鈴)