明石家さんま(64)も、これまで多くの秘蔵っ子を生み出してきた。特に試金石となる番組は「踊る! さんま御殿!!」(日テレ系)だ。芸能評論家の織田祐二氏の説明によれば、
「番組には芸人、モデル、役者などジャンルも知名度も関係なくキャスティングされます。いわば誰にでも売れるチャンスがある一方、ひと言もオンエアされずに終わることも。支離滅裂な発言や傍若無人な態度は笑いになればOKですが、話を振った時に間を置いて考えて話されるのが嫌い。『笑いのテンポ』が悪いと、弟子レースから脱落です」
さらに、ブレイク予備軍には、さんまならではの当落の決め手となる試練が用意されているという。
「ゲストのトークがおもしろくなかった時、さんまさんは無表情になり『‥‥はい』と言って話を終わらせます。絶妙な間合いに、他の出演者や観覧客から笑いが起こる高等テクニックなのですが、完全無視のリアクションに傷つくゲストも出てくる。ただ、それでもめげずに挑んでくるゲストが好きなんです」(テレビ局関係者)
晴れて試練を突破した勝ち組として、鈴木奈々(31)、丸山桂里奈(37)、滝沢カレンなどが、次々と売れっ子タレントに化けている。
「滝沢の場合は『生みの親』がさんまなら、『育ての親』はくりぃむしちゅーの有田哲平(49)です。司会を務める『全力! 脱力タイムズ』(フジテレビ系)の番組内で『THE美食遺産』のコーナーがあり、料理を作る映像に滝沢がナレーションを合わせていきます。漢字の読み間違いやとっぴな感想など、独特のカレン語録をそのまま放送したのが大ウケし、滝沢の『取扱説明書』にもなった。それで一気に他の番組オファーが急増したのです」(芸能プロ関係者)
昨年末、同番組でアンタッチャブルが10年ぶりにコンビを復活させたのも、もっぱら有田が仕掛け人と言われている。業界では「第2の内村」として手腕が注目されているというが‥‥。
一方、「さんま御殿組」の元なでしこジャパン・丸山が師匠と崇めるのが、南海キャンディーズの山里亮太(43)だった。
「『(サッカーの)オフサイドのルールを知らなかった』というトークで、『さんま御殿』で爪痕を残した丸山は、その後、バラエティー番組に引っ張りだこになり、歴代の元カレ話など、ぶっちゃけトークを披露していた。そんな中、山里と番組で共演した際、収録後になんであそこでイジッたのか、こうやってツッコんだから笑いが起きた、などていねいに説明してくれたそうです。その優しさに感激した丸山は、しばらくしてから弟子入りを志願しました」(芸能記者)
芸能界のルールを教えてくれる師匠に出会えたことが、下ネタ発言の一発屋で終わらなかった理由のようだ。