スポーツ

掛布雅之×真弓明信(4)今の阪神は守備が弱い

 CS出場へ向けてラストスパートに入る阪神タイガース。「バックスクリーン直撃談!」スペシャル対談の第2弾は、今季の戦力を85年V戦士と徹底比較! 大型ルーキー大活躍の理由から和田監督の手腕まで、2人の大物OBが激アツに語り合った。

掛布 (前号で)今年の阪神はとにかく投手陣がいいと言ってたけど、ルーキーの藤浪君はどう見てる?

真弓 成績からすると、彼は主力って言い切ってもいい。1年目からしっかりとローテーションに入って、おまけにゲームも作ってる。初めからあれだけやるとは思ってなかったね。

掛布 そうだよね。藤浪君の存在は阪神にとっては非常に大きい。まず試合を壊さないからね。

真弓 阪神の他の投手も藤浪に刺激されてるっていうのもあるよね。まあ、和田監督も彼を一軍昇格させたりファームに落としたりといろいろ気配りしている部分もあるけど。藤浪の好調には、そういう上げたり下げたりの使い方のうまさもあると思うね。

掛布 確かに、あれはうまい。

真弓 たぶん、あれは初めから計算された使い方だと思うよ。高校生っていうのは1カ月くらいを投げきるスタミナはあるけど、半年という体力はないわけ。そういった面で(和田監督は)1カ月しないかのところでちゃんと彼を落としているのは、すごくいいことじゃないかな。

掛布 彼はあれだけ甲子園でずっと投げ続けた投手だから、もともとスタミナはあるほうだとは思うけど、ただ、まだ19歳という中で、阪神としては今年1年で彼を終わらせるわけにはいかない。だから、今の阪神の野球と彼の野球を比べた時に、スタミナを考えて10日間くらいの休息を与える。その代わり1年間使う。この方法はチームにとっていちばんプラスになると思うよ。

真弓 俺が感心してるのは、あまり目立ってないけど四球が少ないことだね。

掛布 ああ、そうだよね!

真弓 実は、コントロール自体はあまりよくない。ところが四球が少ない。だから大量失点がないんだよ。四球を重ねてのピンチが極端に少ない。彼はよく内野安打を打たれて窮地を作ってるけど、結局、抑えてるでしょう。ということは四球を与えてないんだよね。

掛布 四球とか失策が重なると普通は大量失点するけど、彼はそれがないね。

真弓 藤浪は点も取られるけど、取られ方やピンチの作り方は悪くないんだよ。だけど、これから投げ込みをしていって、ボールがまとまってくると逆に打たれやすくなる危険性もある。

掛布 そう。今年の交流戦で、ソフトバンクの内川との対戦(6月2日)でインコースに投げて三振を取った場面があったんだよ。それが抜けたカットボールで、内川からすれば「まさかこんなところには投げてこないだろう」と思ったはず。コントロールがまとまってくれば、今度はそういった意外なポイントに球が行くことがなくなって、打者もコースをしぼってくる。そう考えると、藤浪はもう一つか二つ越えなきゃいけない壁があるんだよ。

真弓 そうだね。

掛布 その点、昔の阪神も投手力はよかった。ヤマカズ(山本和行)に中西(清起)がいたからね。

真弓 福間(納)さんもいたしね。

掛布 便利屋さんだったよねえ。それでいて、先発で10勝ぐらいあげる選手もいたしね。

真弓「10勝ぐらいしかできない」投手ね。

掛布 ハハハ。先発が潰れても中継ぎで逆転したりしてたから。85年は投手力が弱かったってよく言われるけど、俺はそうじゃないと思うよ。

真弓 おまけに守備もよかった。

掛布 今と昔の阪神では守るバランスが違う。今は守備が弱いよな。

真弓 結局、守備練習をしないでいいような選手の使い方をしてると、最後まで本当に守れないんだよ。例えば、1点差で勝ってる時の最後1イニングで、ちゃんと守備練習をしていない選手のところにボールが飛んできたりするわけ。そういう時に捕球できるのかっていう話。だから、ケガとかよほどのことじゃないかぎり、代えなくてもいい選手は代えちゃダメ。

掛布 9回のアウト3つ取る時にグラウンドにいるのがレギュラーだからね。9回の裏にどれぐらいの先発メンバーが残ってるのか。その数が多いほうがチームとして強い。今の阪神は新井兄弟が代わるし、ライトの今成も代わる。ちゃんと守れるのは鳥谷、大和ぐらいだもん。その点では僕らの現役の頃、選手は代わらなかった。あ、85年はセンターに弘田澄男さんと北村(照文)が併用だったか。

真弓 でも、守備要員を使うのは大差で負けてる時だけ。

掛布 1点、2点の差だったら絶対に代わらなかった。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
3
沖縄・那覇「夜の観光産業」に「深刻異変」せんべろ居酒屋に駆逐されたホステスの嘆き
4
段ボール箱に「Ohtani」…メジャーリーグMVP発表前に「疑惑の写真」流出の「ダメだ、こりゃ!」
5
巨人が手ぐすね引いて待つ阪神FA大山悠輔が「ファン感謝デー」に登場する「強心臓」