「夏バテ」ならぬ「秋バテ」をご存じか。一日中眠い、肩凝り・頭痛がする、めまいや立ちくらみがある、やる気が起きない、風邪ではないのに、鼻水や咳が出る‥‥。こういった体の不調を感じたら注意したほうがいい。
季節の変わり目のこの時期は、気温差が激しく、気圧も変化しやすい。そのため、体が対応できずに自律神経が乱れ発症する。猛暑の時期に冷たい飲み物ばかりを飲むと内臓が冷え、血行不良や便秘、下痢、食欲不振の原因にもなりやすい。筋肉量が少ないと、寒暖差に体が対応しにくく、冷えを感じやすくなるので要注意だ。
こうした「秋バテ」は自律神経の乱れが大きな原因であるために、医者に診てもらっても改善しない人がほとんど。
そのため、自分でできる予防や改善策がポイントになってくる。
自律神経の乱れを整えるためには、まずは39度くらいのぬるめのお風呂に、15分程度ゆったりとつかること。できれば就寝1時間半くらい前にお風呂から上がるのが望ましい。入浴で上昇した体温が約1時間半かけて下がり、睡眠の質が高まるからだ。
食事は代謝をアップさせるために、タンパク質を多く摂取することを心がけて。特に朝食はエネルギー補給が重要であるため、卵や納豆を摂るのが効果的だ。
また、血管を拡張するためにタマネギを、内臓冷えを解消するためにネギやショウガ、ニンニクなど、体を温める食材を積極的に摂ることもお勧めしたい。冷たい飲み物は控えて、温かいお茶などを積極的に飲むようにするといいだろう。
ちなみに特効薬はないが、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」「六君子湯(りっくんしとう)」など、胃腸機能を高め、食欲不振を改善する漢方薬などを取り入れて、季節の変わり目を乗り切ろう。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。