「半沢」の大ヒット余波を危惧するのは、主役を演じた堺雅人(39)も同様だ。秋クールも「リーガルハイ」(フジテレビ)の続編で主役を務めるが、個性的なキャラクターゆえに細心の注意を払っているというのだ。前出の古崎康成氏が解説する。
「堺が演じる『リーガルハイ』の弁護士キャラは、銀行マン『半沢』と、かぶる面があります。饒舌でエキセントリックな話しぶりなど、イメージの固定化が心配になります」
続編ドラマに初挑戦する堺自身、「半沢」との差別化を図っているという。スポーツ紙記者が話す。
「視聴者を飽きさせないためにと、シリーズ1作目で打ち出した『早口と幼児退行』は封印するつもりのようです。『リーガルハイ』の古美門弁護士の超偏屈ぶりは、堺自身がテンポを重視し、アドリブ的に作ったキャラだけに、続編ではむしろ、アクの強いキャラクターよりもストーリー展開を重視したキャラに徹するようです」
演劇出身の堺の役者のこだわりはハンパではない。今回も小道具に葉巻を持ち込むようで、菅野美穂(36)の待つ新婚の自宅でも葉巻をスパスパ吸って役作りに没頭しているという。
ただ、そこはせっかくの大ヒットドラマに乗らない手はない。9日放送の初回では、「やられたら、やり返す。倍返しだ!」の決めゼリフのパロディが盛り込まれているという。
「堺が『やられてなくてもやり返す。身に覚えのないヤツにもやり返す。誰かれかまわず八つ当たりだ!』のセリフを口にする、半沢ファンは手を叩いて喜びそうなシーンがあります。第1話の完成披露試写の席では、『半沢』の収録エピソードにも触れ、“クソ上司”の石丸幹二(48)から劇団四季仕込みの発声法を確認したことを披露していました。出演者も『半沢人気にあやかりたい』と口をそろえています」(スポーツ紙記者)
堺も自身の近況について、
「最近いろんな人に触られるんです。もう僕にツキが残っていないんじゃないかな。残りカスで頑張ります」
と、冗談めかして打ち明けたが、注目番組がひしめく秋クールにおいても、またもや一人勝ちする可能性は大。新・視聴率王としてキムタクに引導を渡すことになりそうだ。
先行きが心配されつつも無事、高視聴率でスタートしたのは、朝ドラ「あまちゃん」の後継作「ごちそうさん」だ。
「関東地区で初回平均視聴率が22%台を記録したのは、03年前期の『こころ』以来で、過去10年なら最高という好スタートでした」(前出・テレビ誌編集者)
「あまちゃん」の好調な視聴率を引き継ぎ、船出としては最高の形となった。
「ヒロインの杏(27)は、収録期間中にかつて結婚を噂された元恋人の小澤征悦(39)とフリーアナの滝川クリステル(36)の結婚報道が流れ、期するものがあったと思いますよ。今回の作品では、小澤のために磨いた料理の腕を発揮できるだけに、現場でも気合いが入っているようです。収録後、撮影現場の調理場に顔を出し、残った素材をもらって自宅でも料理を楽しんでいるそうです」(ワイドショースタッフ)
しかし、不安要素もある。現場スタッフからは「これからが勝負」との本音も漏れてくるが、前出・古崎氏の目も厳しい。
「朝ドラは『習慣化』することで視聴継続する層が多いので、すぐには下がらないものの、徐々に低下していく可能性が高く、安閑としていられません。むしろ、今までの『あまちゃん』と雰囲気が違いすぎるため、『ごちそうさんはもうごちそうさまだ』なんて声も聞かれます。恐らく第1回よりも、最終回は低い数字になってしまうのではないでしょうか」
高視聴率で引き継いだバトンをそのまま維持できるのか。正念場はこれからのようだ。