黒木は芸能界でも勝ち気な性格は3本の指に入ると言われている女傑だ。
「宝塚出身の女優は男役だった人が多いんです。大地真央(64)、天海祐希(53)、真矢ミキ(56)とか。反対に娘役に黒木や檀れい(49)がいるが、男役ほど存在感はない。しかも娘役は『お嬢様』のイメージもあって、活躍の幅が限られると思われている。黒木はその殻を破りたかったのでしょう。それが、大胆な濡れ場を演じるモチベーションになったのです」(映画関係者)
とにかく鼻っ柱が強くて負けず嫌い。ブランド好きでも有名で、かつては大人買いが話題になったこともある。
そのブランド好きは結婚相手にも。夫は大手広告代理店のエリート社員。黒木のCMを担当したのが縁で知り合ったのだが、身内に官僚が多い名門の出身である。宝塚、女優、エリートの夫という3つのブランドを手にし、欲張りにももうひとつ「監督」という第4のブランドを狙ったのが裏目に出た格好だ。還暦を迎えて暗転するその先は──。
「黒木が超えたい存在は吉永小百合(75)だと思います。女優としてのトップ、女王様が吉永というのは誰もが認めるところです。それを超えるには吉永にはないものを手に入れる。それが『監督』の肩書です。上昇志向が強すぎるんです」(映画ライター)
今の黒木はドラマでは主役というより、脇で重要な「留め」と言われるポジションの女優。主演の機会は限られるだろうし、監督としては再起不能状態。となれば、プライドの塊のような黒木の活路は何か。週刊アサヒ芸能11月12日号で「抱きたい還暦美女」総選挙企画を特集したところ、トップになったのは黒木だった。
コラムニストの峯田淳氏が言う。
「宮崎美子(61)の21年カレンダーが発売され、還暦ビキニが掲載された週刊誌のグラビアは大きな話題になりました。40年前と変わらない豊満な胸、ほっそりとしたおなか回りのみごとな体形は驚きです。黒木も同じ還暦美女、『化身』『失楽園』で見せたセクシーというよりエッチな濡れ場は今も語り継がれる名シーンです。宮崎が注目されている今こそ濡れ場を演じてはどうでしょうか」
井筒和幸監督には「若い頃から映画でちっさい乳出していた。ああいう子がホンマの女優なんです。役者なんて男も女も見世物」と言われたことがある。宮崎のような豊満さは期待できないものの、黒木のスレンダー体形が好みという世の男どもも多い。
映画プロデューサーがこんなアドバイスで締めくくる。
「黒木は今回の失敗で製作側の人間としては終わった人です。でも、それではプライドが許さないでしょうから、もう一度、原点に返って女優としての意気込みをアピールしてほしいですね。人生100年、介護時代の『失楽園』のような話をドラマか映画でやってみる。社会的なテーマなので、視聴率とか興行収入とか生臭い話は気にしないで演じることができます。その中で演技力を発揮すればいいと思います」
11月には時代の流れを感じさせる出来事も起きた。「化身」と「失楽園」は東映系で公開された作品だが、18日に東映の絶対権力者、岡田裕介会長が急死。映画界に激震が走った。
ブランド女優・黒木の復活への道は険しいものになりそうだ。