猛毒食品リストの生鮮物における有毒物質は、主に農薬に由来するものである。また、冷凍の海産物においては、大腸菌を代表とする雑菌が記載されている。垣田氏はこう解説する。
「韓国では、激しい格差があり、食品関係者はすごく貧しいのです。農業生産物に関しては、安く、手軽に生産量を上げたいということで大量の農薬を使ってしまうのでしょう。また、お金がないことから、きちんとした衛生管理はできないし、できる状況ではないので、大腸菌なども検出されてしまうのです」
これまで、日本の輸入食品で毒物扱いされてきた食品の多くは中国産だった。しかし、07年、冷凍餃子に農薬(メタミドホス)が混入され食中毒を生んだ「毒餃子事件」以降、中国に変化が起こったという。
「今年6月、ピータンに工業用硫化銅が含まれた事件が中国で起こりましたが、日本には入ってきませんでした。毒餃子以降、中国政府が認可した工場を経由しないと輸出できないようにしたのです。それに比べると、韓国の場合はチェックが甘いということは言えます。経営規模の小さい、管理の甘いメーカーの食品を輸入できてしまうのも、問題を起こしている原因でしょう」(前出・垣田氏)
こうしたことから、韓国食品は中国食品よりも危険な可能性があると垣田氏は指摘する。何より韓国産のキムチ・生マッコリは、あの中国の輸入食品に対する大腸菌の基準をクリアできず、中国への輸出量は微々たるものとなっているのだ。
産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏は、韓国の衛生事情をこう語る。
「韓国トップメーカーのパック飯を食べているのですが、この前、黒いカビが生えていました。日本に比べると生産管理、製品管理は遅れています。日本はその面では世界最高レベルで、比べるのはかわいそうだと思います。韓国も一生懸命それに追いつこうとはしているのですが‥‥」
韓国国内で衛生や食品添加物に対する消費者の意識が高まり始めたのは、ここ10年のことだという。
「商店、食堂、生鮮食品の衛生管理などは今でも日本と比べれば後進的です。ショッピングをすると、上のほうには見栄えのよいモノを入れて、下のほうには古いものを入れたりなどということがよくあり、韓国人たちはそういうものなんだ、と思っていたのです。それが近年、韓国も豊かになり、消費者の意識も向上しています」(前出・黒田氏)