小泉氏の「脱原発宣言」に困惑しているのが、息子の進次郎氏(32)だ。
9月30日、進次郎氏は復興政務官への就任が決定。これまでの自民党青年局長という党務から政府の一員となった。
政治部記者が言う。
「10月4日に政務官就任後初の被災地視察で、報道陣から父親の発言について尋ねられると、『父の思いは父の思いだ』と答えていました。ふだんほどの快活さはなく、イマイチ歯切れの悪い受け答えでした」
それもそのはず、安倍晋三総理(59)は原発推進派である。国内の原発の再稼働と海外への輸出が政権の課題でもあるのだ。そんな安倍政権の一員として、進次郎氏が父親と同様の主張をするわけにはいかない。
10月7日に名古屋市で講演した進次郎氏は、
「自民党にとって議論するチャンスであり、党が変わるきっかけになる」
と、原発政策に関する見解を述べ、父親の発言を肯定しているかに見えた。
しかし、前出・政治部記者はこう話すのだ。
「進次郎氏は何度も『私は政府の一員』という言葉を繰り返し、安倍政権の方針に従うということを重ねて表明。父親とは違う見解だということを主張していましたね。世襲議員とはいえ、自身の人気はすさまじく、父親が進次郎氏の政治活動へ与える影響は少なかっただけに進次郎氏にしてみれば、『勝手なことを言いやがって』ぐらいの思いがあったのではないでしょうか」
この2人の親子関係は骨肉の争いの一歩手前、「冷戦」の状態にあるようだ。
それもしかたないことかもしれない。それほど、小泉氏の“暴走”はすさまじいものがあるのだ。
9月16日、「セガサミーホールディングス」の里見治会長の子女の結婚披露宴に小泉氏は出席した。主賓には安倍総理が出席するなど、多くの国会議員が参列していた。披露宴に出席した議員の一人がこう話す。
「若手議員が小泉氏に挨拶すべく、テーブルに近づいて声をかけると、挨拶もそこそこに『ところで‥‥』と話を遮り、小泉氏は『原発ゼロ』の自説をとうとうと述べていました。4時間の披露宴の最中、ほとんど原発政策を話していたと言ってもいいぐらいです。郵政民営化を訴えていた頃よりも熱が入っていました」
どこかの「暴走老人」の息子よりは出来がいいだけに、進次郎氏が不憫になってくる。