11年の福島第一原発事故からの3年間で、電力会社各社が自民党の政治資金団体に対して、計3228万円の献金をしていたことが明らかになっている。
「さらに過去を遡ると、電力各社による自民党への献金の総額は20億円以上になります。自民党は、電力会社だけでなく原発産業各社からも多額の献金を受けている。こうした原発利権を巡る癒着構造によって、自民政権が続くかぎり、原発再稼働の動きは推し進められるんです」(板垣氏)
食品の値上げで庶民の家計が大打撃を受けているが、約1年半後には消費税10%も待ち受けている。さらには、原発停止による電気料金の値上げも家計をひっ迫させているのだ。
「こうした庶民の現状を逆手に取り、安倍政権は『電力の安定供給、電気料金の値下げ』をちらつかせ、原発再稼働に向けた流れに持っていくことをもくろんでいるんです」(板垣氏)
鹿児島県知事も「再稼働は最終段階」と発言するなど、15年の最大の焦点は九州電力・川内原発の行方だろう。
「今年の秋頃に再稼働される可能性が高い。川内原発を皮切りに、関西電力・高浜原発、九州電力・玄海原発の再稼働が見込まれています」(板垣氏)
全国各地で脱原発デモが行われているが、なし崩し的に原発事故は風化していくのだろうか‥‥。
ところで、昨年、中国密漁船が200隻以上を超える大群で小笠原諸島近海に押し寄せ、領海侵犯によるサンゴの強奪を繰り返した。12月末にも中国海警局の船2隻が尖閣諸島周辺の領海に侵入するなどしたが、無法国家による挑発行為は今年も続くのだろうか──。
「日本は外務省が中国政府の言うことを鵜呑みにして静観しているだけ。しかも自民党の中にも親中派の議員が多数紛れ込んでいる。中国の無法行為に対して強硬手段に打って出ることができないのも当然です。中国側はそのことを熟知している。だから、100%今年もやって来ますよ。しかも、その頻度はもっと増えていくと思います」
こう憤るのは軍事ジャーナリストの井上和彦氏だ。
しかも中国密漁船による領海侵犯は、中国共産党の指図によるものだと井上氏は断言する。
「ただの密漁ではないということ。日本の海中・海底を調べて原子力潜水艦用の海底地図を作成しているのです。つまり、対米戦略を見越した軍事情報の収集が中国の真の目的です」
井上氏の予測によると、さらに今年は日本最東端の南鳥島近海にまで領海侵犯の拡大がありうるという。
「日本は領海と排他的経済水域を含めると世界でも有数の面積を誇る海洋国家。昨年、小笠原諸島近海に中国密漁船が襲来した際も海上保安庁は24時間態勢で警備に当たりましたが、限界があった。領海侵犯を根絶するには、自衛隊の協力が欠かせません」(井上氏)
海上保安庁の警備をあざ笑うかのような挑発行為に国民は怒り心頭だが、自衛隊を出動させることは可能なのか。井上氏が語る。
「簡単ですよ。小笠原諸島近海に軍事訓練海域を設定して、軍事演習を行えばいいだけの話です。そこでボンボンと実弾を撃ち込めばいい。当たって沈没したら自己責任ということです。ロシアや韓国ならとっくにやっていますよ。それをやらないから、中国にやられ放題なんです」
今年こそはナメられっぱなしの弱腰外交から脱却してほしいものだ。