自民党が291議席を獲得して圧勝した先の総選挙では、小泉進次郎復興政務官(33)が“自民党の顔”として各地の応援に駆けつけた。テレビ各局の開票特番にも立て続けに出演した進次郎氏は、安倍政権におもねらない、強気の発言を以下のように繰り返した。
「(アベノミクスの)実感がないと思っている人たちに対して何を訴えるのか、そしてアベノミクスの先にあるのは、いったい日本の将来、何なのか。私にとって、いちばん重要だと思っているのは人口が減るという前提での国づくりです」
「福島県内の原発は全て廃炉にする。党の公約として掲げているものですから忘れちゃいけないと──」
“アンチ安倍”とも見て取れる発言を連発したのだ。
政治評論家・板垣英憲氏が言う。
「先の総選挙を振り返っても、進次郎氏は自民党が惨敗した09年の衆院選をともに戦った同志や若手候補者の応援に駆けつけるなど、進次郎グループの足場を固めようとしているのは明らかです」
とはいえ、当選回数3回の進次郎氏には、派閥を率いるほどの「経験、金、人」が備わっていないのが現状だ。しかし、15年、一気に“ポスト安倍”の最有力候補として浮上する可能性もあると板垣氏は指摘する。
「父である純一郎氏は、自分の目が黒いうちに息子を総理にする野望を持っている。そこで、小沢一郎氏に進次郎氏の後見を託したのです。並行して、永田町の記者からは、健康面で重大な問題を抱える安倍総理について『今年6月の通常国会後に、その座を辞するのではないか』という声が出ています。そのため、一部の自民党幹部は、安倍退任後の求心力低下を見越し、水面下で小沢氏に復党を打診しているというのです」
キングメーカーとして剛腕を振るった小沢氏の自民党復党という超の付くウルトラCにより、今年は進次郎氏の「総理獲り元年」となるか──。
昨年12月17日、大手牛丼チェーン「吉野家」が牛丼の並盛り価格を80円値上げして380円にするなど、牛肉を使った全メニューの値上げを断行した。
昨年8月以降、急速に進んでいった円安・ドル高の影響により、食料品を中心とした輸入品の値上げが止まらない。経済評論家の荻原博子氏が今後を予測する。
「輸入品は船便で運ばれて荷揚げされ、加工・運搬されるため、店頭に並ぶまで数カ月ほどのズレが生じる。つまり1ドル119円のレートで注文された商品が店頭に並ぶようになるのはこれから。そのため、今後さらに物価高を実感するようになるはずです」
荻原氏は、中でも庶民の味方・牛丼の再値上げは回避できない状況だという。
「シンクタンクの中には、この1~2年の間に1ドル=125円を超えて130円台突破もありうると予測するところもある。そうなると物価はさらに1割増しとなります。加えて、中国での需要拡大や外国人投資家らによる大量の買い占めにより、今後さらに牛肉の卸価格が高騰することが考えられるんです。しかもワンオペ(店員1人しか店にいない状態)批判による人件費の上昇や消費税アップなどの影響も加味すると‥‥」
牛丼チェーンなどの外食産業は二重苦、三重苦のコスト高に襲われる中、値上げで対応するしかない状況に追い込まれていくのだ。
「牛丼並盛りが500円になり、さらに700円、800円にまで値上がりする可能性があります。ファミレスも同様です。以前は貧乏学生やフリーターが時間を潰しに行く場所でしたが、今は蓄えのある年配者のたまり場になっています」(荻原氏)
牛丼1杯が庶民の贅沢になり、ファミレスが富裕層向けの高級レストランに様変わりする日が、そう遠くない将来やって来るかもしれない‥‥。