阪神タイガースは、主に1990年代の低迷期には「ダメ虎」なんて不名誉な呼ばれ方をしていたものだった。
そんな阪神「暗黒時代」に同球団に在籍した選手の1人が桧山進次郎氏だ。2001年には故・野村克也監督のもとで4番を務め、プロ野球人生初の打率「.300」をマークすることができた。野村監督のお陰と今も感謝しているようで、野村監督が退任する前に桧山氏にかけてくれたという最初で最後の褒め言葉について明かしている動画があった。
元プロ野球選手、片岡篤史氏のYouTubeチャンネル〈片岡篤史チャンネル〉の、〈【衝撃の暗黒時代】とにかく弱い…亀新フィーバーで大混乱?野村克也監督に言われた最高の誉め言葉とは…〉とタイトルがついた昨年11月15日投稿回でのことだ。
野村監督の「ID野球」をみるみる吸収していった桧山氏は、99年は73安打、00年は35安打と低迷していたが、野村監督3年目の年に、リラックスして肩の力を抜く打法を身につけ、ようやく開花。監督室に呼びだした桧山氏に野村監督は、こう言ったという。
「3割初めてか?お前が頑張って3割打っても、チームは最下位や。まあ、でも4番で、よお頑張った。おめでとう!」
これが3年間で一番長い会話だったと苦笑を交え振り返った桧山氏だが、「これがめっちゃ嬉しかった!やっと認めてもらった」とも明かしている。
野村監督退任後、故・星野仙一氏が監督に就任。その2年後にセ・リーグ優勝を果たし、阪神は長かった暗黒時代をようやく脱している。当時は「星野監督サマサマ」といった風潮だったが、“野球脳”を叩き込んでくれた野村監督が先で良かったとも桧山氏は語っている。
野村監督では成しえなかったことを、星野監督が達成した…単にそうではないという桧山氏の主張にも思えた。
(ユーチューブライター・所ひで)