松本人志監督(50)の最新映画「R100」(ワーナー・ブラザース映画)が、ついに公開された。日本を代表するカリスマ芸人の“4度目の正直”に期待が持たれたが、結果は大惨敗。映画監督どころか、芸能生活の危機までささやかれている。
「大日本人」「しんぼる」「さや侍」(いずれも松竹)と、これまで一般的な評価はいずれも芳しくなかった松本監督作品だが、最新作もSMを題材にした“未体験ファンタジーエンターテインメント”と、難解なことで公開前から物議を醸していた。一方で、過去3作の失敗を受けてか、こだわりを捨ててまでヒットを目指している部分も見受けられたのだ。
「これまで松本さんは自身やシロウトを主人公にしてきましたが、今作では主演に演技派俳優の大森南朋を起用し、大地真央や寺島しのぶ、佐藤江梨子ら豪華女優陣にボンデージ衣装を着させて女王様を演じさせるなど、キャストや衣装に力を入れましたよね。製作にあたっても、放送作家を中心とした10人近い信頼するブレーンを招集した会議も4作目だけに、アイデアを結集する形が出来上がっていた。本人が周囲に『時間をかけて、おもしろいものしか選ばなかった』と話していたほどですから、よほどの自信作だったはずです」(芸能プロ関係者)
さらに、公開直前には松本監督みずからが多忙なスケジュールの中、全国の映画館を回って観客の質問に答える「ティーチイン」付きの上映会を敢行。スポーツ紙はもとより、インターネットの芸能ニュースサイトの独占インタビューにも応じるなど、パブリシティにも力を入れてきた。
ところが、蓋を開けてみれば、公開から2日間の興行収入はわずか5282万円というありさまだった。
「公開スクリーン数が全国で223とかなり大規模な作品でこの数字ですから、まさに異常とも言える不入り。億単位の赤字となるのは確実です」(映画関係者)
文字どおりの大コケぶりを見せてしまったのだ。
劇場に閑古鳥が鳴く惨状はネットの掲示版でも、劇場にいる観客に〈オレ以外にあと1人しかいない〉と書き込まれたり、わずか3席しか埋まっていない座席の画像がアップされるなど、イジられ放題。
こうした中、看板タレントにこれ以上の傷はつけられないと吉本興業サイドがアイドルグループ「NMB48」による観賞会を企画するも‥‥。SMをモチーフとした作品をアイドル、それも10代メンバーも多いNMB48に観賞させるという、なりふりかまわぬやり方に、厳しい批判が殺到。各メンバーが交流サイトに一斉にアップした同作への称賛コメントを“ステマ”と非難する声まで出ているのだ。芸能評論家の三杉武氏が語る。
「NMB48にとってはトバッチリもいいところ。今年はNMB48にとって、NHK紅白歌合戦の初出場を目指す大事な時期なんですけどね。それだけ、松本作品の大コケが周囲を迷走させているのでしょう」
そんな中、「R100」の失態は芸人・松本にも暗い影を落としそうだ。
松本といえば、かつてはお笑い界を牽引するカリスマだったが、昨年から今年にかけては、コンビでのレギュラー番組「HEY!HEY!HEY!MUSICCHAMP」「爆笑大日本アカン警察」(ともにフジテレビ系)、「リンカーン」(TBS系)の3本が打ち切り。視聴率は1桁にまで落ち込んでいた。
10月22日からはコンビでの新番組「100秒博士アカデミー」(TBS系)が始まったものの、その収録会見で笑い交じりとはいえ相方の浜田も、
「すぐに終わるかも」
と、歯切れが悪い。
お笑い界のカリスマも、いよいよアカン!