元衆院議員の宮崎謙介氏が足掛け5年の議員生活の経験をもとに、政治家ウオッチングやオフレコ話、政治にまつわる話を適度な塩梅で、わかりやすく「濃口政治評論家」として直言!
国会が始まったので大臣らを直撃しようと、国会議事堂へ行ってきました。議事堂は社会科見学で一度は行ったことがある、という人も多いかと思います。会期中は特に活気があって、エントランスから厳かに大臣たちが入堂する様は、テレビでもおなじみです。
でも、なんだか空気はどんよりとしていましたね。議事堂の中には食堂が2カ所の他、蕎麦屋やインド料理屋、吉野家もあるのですが、国会が始まる直前、ちょうど昼時にもかかわらず、どこも閑散としていました。吉野家は議事堂限定メニューの黒毛和牛丼(1389円)が名物で、昔はそこそこにぎわっていたのですが。高級牛丼の味? 一度食べましたが、普通の牛丼のほうがおいしいかな。どこのお店にもおひとり様か2名単位の2、3組のみ。緊急事態宣言を守っているんですね。
与太話はさておき、議事堂では顔見知りの与党議員は皆、すれ違いざまに、
「支持率、本当に下がってる?」
と聞いてきました。僕に聞くほど深刻だと感じているようですが、それなのに本当かどうか信じられない夢うつつではいけません。何か対策を打たないと。
そこで支持率回復手段として若手議員たちは、国民全員にまた給付金10万円を配ることを提案しているそうです。が、麻生大臣がケチをつけて首を縦に振らないことも、国民にはあらわになっています。というかそれ以前に、麻生さん自身がほとんど表に出てこないことがやっかいです。菅政権に反発しているのがミエミエ。コロナ対策がスムーズに進まない一因には、やっぱり水面下での「麻生派対二階派の戦い」が絡んでいるのではないでしょうか。全国民に一律給付金を配ったほうが内閣支持率だって少しは盛り返せるだろうに、まるでチームプレーがなってない。
日本が分断している開会中と同時期に、バイデン新大統領も就任式を迎え、ユニティー(団結)を掲げました。「未来を明るくするには言葉以上のもの、民主主義において最もつかみどころのないユニティーが必要だ」と。なのに、バイデンとトランプは分断。日本もユニティーどころか、麻生さんと二階さんは分断。
先日、NHKの番組で二階さんが「全力を尽くしているんだから、ケチつけるんじゃない」と発言して話題に。その前日、牧島かれん青年局長が党幹部に突きつけた申し入れに「73歳定年制のルールを厳守」という項目があったそうです。二階さんは「青年局の活動を応援します」と答えたという日和見。
実はその続きがあって、「私はね、コロナというなかなか未知のものに対応してるんだから、いろいろ難しいんだよ」
とつぶやいたとか。「難しい」なんて言葉は二階さんの辞書にはなかったはず。やっぱり定年に近づいてきたのか、と感じてしまいます。麻生さんは二階さんのことを疎ましく思い、二階さんは麻生さんのことが疎ましい。どんぐりの背比べはいったい、いつまで続くのでしょうか。
議事堂の帰り、お土産屋さんで「スガちゃんまんじゅう」を買いました。うちの嫁にあげたら喜びますが、知人にあげたら「縁起悪い」と言われました‥‥。風貌はアマビエっぽいんですが。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ):1981年生まれ、東京出身。早稲田大学を卒業後、日本生命などを経て、12年に衆議院議員に。16年に辞職し、経営コンサルタントや「サンデー・ジャポン」(TBS系)などに出演。「バラいろダンディ」(TOKYO MX)ではレギュラーMCを務める。