元号が令和に変わった19年。田中美佐子(61)は還暦を迎える節目に一大決心、所属事務所を独立していた。それも専属マネージャーを置かず、完全な個人営業スタイルである。アサ芸が独自入手した「営業メール」からは、新人のような熱意と誠意が伝わり、さらなる快進撃の予感さえしてくるのだった。
1月14日、日本ジュエリーベストドレッサー賞の60代部門に選ばれた田中は、プラチナダイヤモンドネックレスを胸元に輝かせ、「還暦過ぎて、思いっ切り生きていこうと吹っ切れたから、ご褒美かな」とほほえんだ。スポーツ紙デスクによれば、
「田中は82年に映画『ダイアモンドは傷つかない』(東映)で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しながら、一時期、芸能活動を休止している。その時の相談相手が萩本欽一さんと、その右腕のチーフマネージャーだった。そのマネージャーが85年に独立すると、田中も第1号タレントとしてその事務所に所属した経緯があり、今回も円満退社でした」
田中の独立後に仕事で一緒になった民放局関係者が明かす。
「彼女は還暦を前にして『新しいことにチャレンジしたい』という思いが募ったそうです。すぐ社長に告げると、意外にも『しょうがないね、いいよ』という返事が返ってきたそうで、『もう60歳だから好きなように生きなさいよ、ということだったのかな』なんて、笑顔で退社の経緯を話してくれましたね」
とはいえ、所属事務所やマネージャーにおんぶに抱っこだった女優が、いきなり個人事業主とは。多くの業務を切り盛りすることになり、さぞかし目も回る忙しさだろう。アサ芸が入手した営業メールの文面からも、その奮闘ぶりは伝わってくる。
出演依頼への謝辞に始まり、仕事内容や出演料、スタイリストやメイクなどスタッフ数、スタジオへの入り時間、駐車場や車両ナンバーなど細部に至るもの。質問に対する返信、要望がへりくだって書かれ、最後には、〈わからないことだらけで必死です。至らないところがありましたら、申し訳ないですが教えてください〉とまで丁寧につづられている。
「依頼のOKはもちろんのことですが、めちゃくちゃ気配りするメールに感激しちゃいましたね。思わず、他のスタッフにも見せましたよ。みな、やる気が出てきましたね」(前出・民放局関係者)
田中の個人営業ぶりは、すでに芸能界では有名だった。
「謙虚で真面目な人柄もあり、複数のタレント事務所の敏腕マネージャーが業務委託のような形式でバックアップもしています。女優としてばかりか、バラエティー番組でも引っ張りだこになっている」(前出・スポーツ紙デスク)
昨年12月15日には、夫・Take2の深沢邦之(54)と「ちょっと山頂へ~絶景!ニッポン低山紀行~」(BSテレ東)に出演した。
「14年ぶりの夫婦共演でした。夫は唯一のレギュラー番組『噂の!東京マガジン』(TBS系)が3月で終了しますが、これまでも収入格差から不仲説が出ることがありました。でも、実際は大好きな海釣りに一緒に出かけるなど、非常に良好な関係です。深沢は両親の介護で実家と行き来する生活なので、ますます田中の八面六臂の活躍が欠かせませんね」(芸能プロ関係者)
その敏腕マネージャーを兼務するのは本人なのである。